「ラクをしてズルい」なる空気を和らげるために、筆者は2つの提言をしたい。

一緒にラクを体験する

 まずは、一緒にラクを体験する。

 あなただけがラクをするように見えてしまうと面白くない人もいるだろう。それなら、周りの人と一緒にラクを体験する。
 
たとえばITツールを一緒に使ってみる、新しい働き方を一緒に試してみる。そうしてラク仲間を増やしていこう。

快感体験を言語化する

 ラクをした爽快感や快感を明るく伝えよう。できれば仲間と一緒に体験して、心が軽くなった快感体験を言語化しよう。

「このツール入れたら、確認作業がなくなってラクになりました!」

「テレワークしたおかげで、溜まっていた作業を一気に片付けられました!」

 言語化により共感が生まれ「ラクをするって気持ちいいことなんだ」「仕組み・仕掛けでラクをするっていいことなんだ」と小さな世論形成と合意形成をしやすくなる。

 なお、筆者は改善を組織に根付かせるためには、快感体験と成長体験の言語化が大事だと講演などで口酸っぱく伝えている。快感を言葉にしよう。

次のテーマを見つけて取り組む

 ラクをして心が軽くなったら、浮いた時間で早く帰る、リフレッシュするなども大事だが、それだけでは自分の仕事がなくなってしまう不安を解消できない。

浮いた時間で何をするか?」を考え、次のテーマや仕事を見つけて取り組んでみよう。課題解決でも研究でも学習でもよい。その繰り返しが組織と人を成長させる。

一歩踏みだす!

 ・皆で一緒にラクになる
 ・ラクになって得た快感を言語化して伝え合う
 ・次のテーマを見つけて取り組む

(本稿は、書籍『組織の体質を現場から変える100の方法』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です)

沢渡あまね(さわたり・あまね)
作家/企業顧問/ワークスタイル&組織開発/『組織変革Lab』『あいしずHR』『越境学習の聖地・浜松』主宰/あまねキャリア株式会社CEO/株式会社NOKIOO顧問/プロティアン・キャリア協会アンバサダー/DX白書2023有識者委員。日産自動車、NTTデータなどを経て現職。400以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演を行う。『チームの生産性をあげる。』(ダイヤモンド社)、『職場の問題地図』(技術評論社)、『「推される部署」になろう』(インプレス)など著書多数。