連日パワハラについて報道されています。上司からすれば「部下に注意・指導したい……でも、強く言いすぎただけでパワハラになるのかな?」と不安に思ったり、部下からすれば「自分は部下だから、どんな理不尽な指導でも、全部受け入れなければいけないのかな」など思ってしまったりしますよね。そんなあいまいな「パワハラ」と「指導」の境界線をはっきり教えてくれる『それ、パワハラですよ?』(著者・梅澤康二/マンガ・若林杏樹)が発売になります。著者は人事・労務の分野で約15年間、パワハラ加害者・被害者から多数の相談に乗ってきた梅澤康二弁護士。本書では職場でよくあるハラスメントのグレーゾーンなケースを85の具体的な事例とともに紹介。これを読めば「令和時代のハラスメントの常識」がしっかり身につきます。管理職、リーダーはもちろん、組織に所属する人は誰でも読むべき1冊。今回は特別に本書より一部抜粋・再編集して内容を紹介します。

パワハラで訴えられる!? 部下に送ると「超キケンなメール」とは?『それ、パワハラですよ?』本文より ©若林杏樹

ネガティブな内容のメールを感情的に送っていませんか?

職場では、メールを利用することはもちろん、LINEやメッセンジャーといったSNSを活用するケースもよくありますよね。

メールは便利な一方で、上司や先輩から不快なメールを受け取ったという経験のある方は少なくないはずです。

そもそも相手を不快にさせるメールを送信する行為は、パワハラにならないのでしょうか。

メールは言葉を直接的かつ視覚的に伝えるものなので、口頭でのやり取りに比べると、相手に対してより強い不快感や不安感を与えることもあるでしょう。

とくに注意指導などでは、メールでのコミュニケーションを避けるべきという意見もあるようです。

ただ、当然のことですが、メールを送ること自体は、ただちに不当であるとか、不適切ということにはなりません。

メールは、職場の意思伝達の手段の1つとして、極めて有用なツールであることは間違いありません。

ただ、相手にネガティブなメールを送信するのであれば、相応の注意と配慮が必要です。

このような観点から、簡単な事例をふまえて解説します。