会社を冷めた目で見るから、会社の課題を見逃さない
「愛社精神」を持っている人の特徴としてあげられるのは、当たり前ですが「会社が好き」「会社に感謝している」などがあるでしょう。この気持ち自体が問題かというとそういうわけではありません。
ではここで1つ考えてみましょう。
ここに、【愛社精神が強すぎるAさん】と、【愛社精神“ゼロ”のBさん】がいるとします。
次の2人のうち、会社の「課題」をよく理解しているのはどちらでしょうか?
実は、これは愛社精神ゼロの【Bさん】の方です。
愛社精神の強い【Aさん】は、会社を愛しているので、課題意識は特にない可能性が高いです。特に愛社精神が高ければ高いほどこういった課題に本当に気付けなかったりするものです。当たり前のこととして受け入れてしまうようになるのです。
愛社精神がないと「不満」に気づける
では逆に愛社精神を持っていない【Bさん】はどうでしょうか。多分、日々細かいことが気になっていると思います。会社が不祥事を起こせば「なぜそのようなことを起こしてしまったのか」考えますし、少しでも違和感や不満があれば無視することができないでしょう。
この「不満を覚える」ことは実は大きなポイントです。不満というとネガティブに聞こえますが、実はこれは会社が抱える「課題」です。あなたがその課題とそれに対する解決策を提示できるようになったら、たったそれだけで周りの同僚からの評価が高まります。
「愛社精神ゼロ」も価値になる
会社に長くいればいるほど、非効率な業務やシステムが徐々に当たり前に見えてきてしまいます。その曇ってしまった目は、愛社精神を捨てることによって晴らすことができるのです。
あなたが会社で感じた何気ない課題を同僚や上司に解決策とセットでそれとなく伝えることを心がけてみてください。あなたにとっては大したことではなくても、周りからは会社の課題がはっきりと見えていて、ちゃんと解決策も提示できる人と認識されます。
職場の評価が愛社精神で決まる会社もあるかもしれませんが、「愛社精神がない人」は実は会社にとって貴重な存在なのです。もしあなたがそういった立場にあるのなら、せっかくのポテンシャルを活かすように立ち振る舞うべきです。会社に対して感じている課題を伝えて自分も評価されるのであれば一石二鳥ですし、覚えておいて損することはないでしょう。
(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の一部を編集・調整・加筆した原稿です)