新しいものに慎重な男性客をどう取り込む?
原宿本店の一角に「メンズコーナー」の率直な感想

「3COINS MEN」の店頭販売は、全国に300件以上ある店舗のうち、今のところ「3COINS 原宿本店」と国内最大売り場面積の「3COINS+plus イオンモール広島府中店」のみ。当面はオンライント限定店舗で販売を行い、好調であれば拡大する予定なのだろう。

 実際の現場感を確かめるべく、平日の夕方、原宿本店を訪れた。メンズアイテムは店舗の中ほどにあり、古着販売コーナー(メンズあり/期間限定)の近くであることもあって、違和感はほとんどなかった。原宿本店は、店舗入り口が広く、他店ほど女性向けアイテムを前面に押し出していない店作りのためもあってか、外国人観光客も含め男性客は少なくなかった。メンズコーナーを物色するカップルの姿もあった。

 ただ、商品の見栄え的に、アースカラーで統一感のある雑貨や、お手頃感のあるアクセサリーのラインナップに比べると、黒いリュックやショルダーバッグなどのアイテムには店頭で見てそこまで心が躍るものはなかった。

 日本人は無難な黒を選びがちな傾向があると言われるし、それなりの需要は(女性に対しても)あるだろうが、「店頭販売よりもオンラインでの販売を見込んでいるのか?」という印象を持った。ディスプレイには改善の余地があるのではないか。

「3COINS MEN」で力を入れているのはおそらくモバイルのカテゴリで、これは家電(スリコ家電と呼ばれることも)販売に注力し、成功してきたスリコならではだろう。「かわいい」もしくは「かっこいい」家電が、それなりのお手頃価格で手に入る。そのようなブランディングを、男性にも訴求していくための「3COINS MEN」だと感じる。

 2021年のビジネスインサイダー記事(https://www.businessinsider.jp/post-247530)によれば、(女性向け)オリジナル家電について「最新のツールに苦手意識を持つ人でも生活に取り入れやすく、かつ簡単に使っていただけることにこだわって開発」していると語られている。

「3COINS MEN」も、ガジェットに本気で詳しい層というよりは、それなりの雰囲気を楽しみたい層への訴求だろう。新しいものに手を伸ばしづらいと言われる男性客をどのぐらい振り向かせることができるか。今後も注目したい。