誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになります!

【精神科医が教える】「ありがとうの神様」を味方につける人、「すいませんの小悪魔」を引き寄せてしまう人Photo: Adobe Stock

「ありがとう」の魔力

今日は「ありがとう」という言葉についてお話ししようと思います。「ありがとう」と言われて嫌な気持ちになる人はいないですよね。

これは本当に当たり前のことなんですが、感謝の気持ちを伝えることで損をすることは全くありません。

少し恥ずかしいと感じることがかもしれませんが、感謝の気持ちが湧いたときは、素直に「ありがとう」と伝えることが大切です。

「ありがとう」の効能

「ありがとう」と頻繁に言うことで、周りの人から「いい人だ」と思われることがあります。

もちろん、誰かにいい人だと思われるために感謝を伝えるのが目的ではありませんが、それによって周囲との摩擦が減り、物事がスムーズに進むこともあります。

「ありがとう」と言われると相手がいい気分になるだけでなく、言った側もなんだかいい気分になりますよね。

絶妙な“鉄板の言葉”

「ありがとう」という言葉は本当に素晴らしい言葉だと思います。何度使っても意味が変わることがなく、重苦しさもありません。

それでいて軽すぎるわけでもなく、自分の気持ちをそのまま相手に伝えられる、絶妙にバランスのとれた“鉄板の言葉”だと思います。

一方で、「すいません」とか「ごめんなさい」という言葉は少し複雑です。

別の意味を含む微妙な言葉

もちろん、悪いことをしたときに謝るのは大切なことですが、何でもかんでも謝ってしまうのはあまりよくない場合もあります。

例えば、「ありがとう」で済むところを「すいません」と言ってしまう人がいますが、この「すいません」という言葉には、謝るという行為自体に少し特殊なニュアンスが含まれているんです。

謝ることによって、無意識に上下関係ができたり、相手に対して別のメッセージを送ってしまうことがあります。

大切にしたい言葉

だからこそ、できるだけ「ありがとう」を使うほうがいいと思います。

近ごろアテクシは時々サインを書く機会があるのですが、自分のサインに「ありがとう」と書き添えるようにしました。

それほど大切にしたい言葉なのです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。