値上げでも「売れる商品」と「売れない商品」を分けるたった1つのポイント生活必需品の中でも客離れが起きているものと、起きていないものとがある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ロシアのウクライナ侵攻による燃料費高騰、また人件費アップなどによるコスト増大の波が来ている中、企業にとってどのように自社の商品やサービスの価格に反映させるのかはかなり重大な問題です。そこで深井賢一氏の新刊『売れる「値上げ」』(青春出版社刊)から、顧客が離れない値上げのポイントについて抜粋して紹介します。

いま、あらゆる業種・業界で値上げラッシュが起きている

 いま、日用品や食料品をはじめ、あらゆる業種・業界で値上げラッシュが起きています。

 食品を例にとると、帝国データバンクの調査(「食品主要195社」価格改定動向調査・2024年8月)では、2022年は2万5768品目が値上げされ、値上げ率の平均が14%でした。2023年は3万2396品目が値上げされ、値上げ率の平均は15%。そして2024年の予想では値上げ品目数は5911品目と落ち着くかに見られますが、値上げ率の平均は19%と高くなると見られています。

 食品だけではありません。飲料や日用品、衣料品、飲食店、さらに電気代やガソリン代、郵便代に至るまで、ありとあらゆる商品・サービスの値上げが続いています。まさに「値上げラッシュ」です。

 なぜ、これほどまでの値上げラッシュになっているのでしょうか。