値上げをしても客が離れない戦略、お客さんがつく戦略とは何か
普通は商品・サービスの値段を上げると、離れていくお客さんがいるものです。いったん起きた客離れは他のお客さんに伝播する可能性もあり、やがて商品・サービスはもちろんのこと、それを提供する会社も衰退しかねません。現在は冒頭に述べたように、あらゆる商品・サービスで値上げが当然のように行われています。
ところが、あらゆる商品・サービスで客離れが起きているかというと、そんなことはありません。「それは生活必需品だから」という理由で値上げしても買っている(買わざるを得ない)という理屈も成り立ちますが、生活必需品の中でも客離れが起きているものと、起きていないものとがあります。さらに、値上げをしたことによってむしろお客さんがつく、ファンが増える商品・サービスもあります。
この差は、いったいどこにあるのでしょうか?
ポイントは、値上げの要因=「コスト」に対する見方を変えること
値上げをして顧客が離れる会社と離れない会社。その最も大きな違いは、「コスト」に対する見方の違いです。
コストとは、ある商品・サービスをお客さんに提供するまでにかかる原材料費や人件費のこと。これは間違いではありません。このコストを少しでも抑えれば、お客さんに商品?サービスを安く提供できます。
しかし、コスト上昇時代、それができない状況になっています。そこで、コストに対する見方を変える必要があるのです。
ここで、あらためてコスト上昇の要因を見てみましょう。