日本~バンコクやシンガポールに期待できるワケ
東京から米国西海岸までの運航も可能なOverture。日本における路線展開の可能性はあるだろうか? 前述した通り、JALがBoom Technologiesに出資して優先購入権利を得ていることから、Overtureを導入し北米西海岸や東南アジア、インドなど就航範囲内の国際線に導入する可能性はあるだろう。
とりわけ筆者が期待しているのが、日本~東南アジア路線だ。コンコルドが登場した時代と比べ、日本から東南アジア各都市への需要はビジネス・観光とも飛躍的に増加している。仮に東京からバンコクあるいはシンガポールが、現在の半分となる2~3時間で結ばれた場合、ビジネスクラス相当の料金を払ってでも利用したいと思う乗客は相当数いるだろう。
しかも日本と東南アジア諸国の場合、時差が1~2時間程度であるため、飛行機の時間短縮がそのまま旅行・出張時間の節約につながりやすい。この時差を考えると、短縮効果が相殺されてしまう太平洋路線や大西洋路線よりも、東南アジアの方が超音速旅客機の効果を発揮しやすいと言えるだろう。
加えて、すでに導入を決めているユナイテッド航空やアメリカン航空は、かつてのコンコルドが飛んでいた大西洋路線がメインと思われるが、米国西海岸から日本への直行便の可能性もありそうだ。ユナイテッド航空については、日本からの以遠権を活用した東南アジア路線もあり得るだろう。