「社会的感受性」が引き起こすバズの感覚

 興味深いのは、この共感的なスキルは、対面の場合だけでなくオンラインでも有効だったことだ。ウーリーは言う。

「オンラインでもオフラインでも、他より良い成績をあげるグループはあった。成績の良いグループにとって最も重要な要素も同じだった。つまり、コミュニケーションが活発で、平等に発言し、相手の感情を読む能力があることだ」。

 普段の社内を見渡しても、他よりも活発な議論をしているチームはいないだろうか。いろんなアイデアが次々に浮かび、お互いに信頼して安心感があるので相手の言葉を遮って意見を口にすることもしばしばある。

 ウーリーは、このようなグループは、創造的な貢献が「爆発した」状態にあると言う。全員が議論に貢献でき、自分の貢献が歓迎されることも知っている。みなポジティブ感情の状態にあり、心理的安全性を味わっている。

 良い会議とは全員が参加する会議であり、全員が準備をして自信を持って議論に貢献できるようなものにすべきだ。

 もし、この理想的な条件を満たしていながら、まだ貢献していないように見える参加者がいるのなら、その人はその会議に出席すべきではないのかもしれない。

 会議で良い意思決定と問題解決をするためには、活発な議論が欠かせない。それを達成できないのなら、その会議は開催する価値がないのだ。

【訂正】記事公開時より以下のように修正しました。リード文の冒頭を「イギリスからの翻訳書『Google・YouTube・Twitterで働いた僕がまとめたワークハック大全』が本年9月に発売された。」から「イギリスからの翻訳書『Google・YouTube・Twitterで働いた僕がまとめたワークハック大全』が2020年9月に発売された。」に訂正します。読者の皆様にお詫びいたします。(2024年11月15日13:25 書籍オンライン編集部)