ホンダ「e:HEV」の3つの走行モード
e:HEVはホンダの新しい2モーターハイブリッドシステムで、走行シーンに合わせて、3つのモードが自動的に切り替わるようになっている。3つのモードは以下の通り。
(1)EVモード:バッテリーからの給電のみでモーター走行する。エンジンが止まっているので、静か。完全にEV状態。
(2)ハイブリッドモード:エンジンの力で発電用モーターを回して発電し、バッテリーの電力と合わせて走行用モーターで走行する。日産のノート e-POWERと同じ「シリーズハイブリッド」状態。
(3)エンジンモード:ここがノート e-POWERと大きく違うところ。一定の速度を超えると、エンジンと車軸が直結する、ホンダのe:HEVにはエンジン直結モードがあるのだ。最高出力106馬力の1.5リッター直4エンジンは、発電も行うし、エンジン走行にも使える。走行用モーターの出力は123馬力相当と、このボディサイズからすればソコソコに力強い。エンジンとモーターを合わせたシステム出力は137馬力とされている。
で、早朝の拙宅玄関前。モード選択が自動的に行われ、ドライバーはコントロールできない。静かにソッと走りたいシーンでも、電力が不足となればエンジンは勝手に回りだしてしまう。そしてそのエンジン音が結構なボリュームなのだ。アクセル開度を最小にして走っても、回るものは回る。幹線道路に出るまで気まずい思いで走り続けた。
エンジン直結+モーターの加速は気持ちいい
用賀から首都高に乗る。首都高の流れに乗った速度まで上がると、エンジン直結モードになった。これが実に気持ちいい。アクセルをさらに強く踏み込むとモーターが加勢する仕組みになっている。エンジン直結+モーターの力。胸のすく、とまでは言わないが、必要にして十分な加速。実によく出来ている。
高速を下りて千葉の一般道。ここでハイブリッドモードになる。エンジンは発電に徹するようになる。するとエンジン音と加速感に大きなギャップが生じる。エンジンはブンブン唸るが、その音に速度が付いていかない。出来の悪いCVTのようなラバー感。うぅ。これは気持ちが悪い。エンジンモードの感覚を味わってしまうと、ハイブリッドモードは何とも言えぬ違和感がある。燃費を追求するには、これがベストの方法なのだろうが、最後までこの違和感を拭うことはできなかった。