好調な中位校「文教」「実践学園」
文教大学付属(品川区)は144人(36人4学級)を募集するが、その中には付属小学校からの内部進学者数も含まれている。2科か4科を選ぶ五つある入試回の倍率には開きがあるので、慎重に検討した方がよさそうだ。いささか隔年現象も見られ、2025年は“全面高”となりそうである。
24年に101人が受けた[1日1回]の実倍率は1.53倍(23年1.87倍、22年1.57倍)と一番受かりやすい。[1日午後2回]は最多の192人が受けて1.73倍だった。いずれも志望者数は2割増となっている。[2日3回]は2.38倍、[2日午後4回]は3.11倍、[4日5回]は2.44倍だが、志望者数はいずれも3割強増えている。
立正大学付属立正(大田区)はいずれの入試回にも2科・4科がある。他に、英語入試、適性検査型が加わる回もある。いささか緩和傾向にあり、25年もその流れが続きそうだ。英語と適性検査型もある[1日1回午前]は、最多の161人が受験、実倍率は1.14倍(23年1.19倍、22年1.47倍)で最も受かりやすい入試回だが、25年も現状を維持しそうだ。[1日1回午後]は138人が受けて1.38倍だったが、志望者数が1割減っている。[2日2回]は2倍、[3日3回]は1.6倍、[7日4回]は3.38倍と24年実倍率に開きがあるものの、志望者数は1割半減、2割増、1割弱減となっており、2回と3回は1割台後半へ、4回は3倍に向けて25年はそれぞれ動きそうである。
宝仙学園の近所でもある実践学園(中野区)には、難関国公私立大学合格を目指す生徒への中学給費生制度がある。新入生は60万円、在校生は次年度に40万円を給付するというものだ。適性検査型の[1日午後給費生選抜1回]は24年に52人が受けて実倍率10.4倍、算理2科の[3日午後給費生選抜2回]は33人が受けて合格者2人の16.5倍と、いずれも狭き門である。1回の方は志望者数が5割近く増えており、25年は2回と並ぶ高倍率になるかもしれない。
最多の93人が受けた[1日1回2科・4科]の実倍率は1.5倍、[2日2回2科・4科](24年は2日午後)は79人で1.72倍だったが、志望者数が2回の方は6割強も増えており、25年は2倍に乗せるかもしれない。他に[2日午後3回]もある。[10日II期]は1.36倍と受けやすいが、志望者数を見ると25年は1倍台後半を目指しそうだ。日本語・英語の作文と面接を課す[2日LA&Sクラス1回](24年は1日)と[3日LA&Sクラス2回](24年は2日午後)は、いずれも受験者数が10人に満たないので予想は控えたい。
26年に100周年を迎える東京立正(杉並区)は四つの入試日に2科・自己プレゼンテーション・適性検査型・SDGs・奨学生という多彩な入試を設定している。受験者数が2ケタの三つの入試について見ておこう。24年に30人が受験した[1日1回午前2科]の実倍率は1.76倍、20人の[1日午後1回午後]は1.05倍、12人の[14日4回]は1.2倍となっている。その他の入試回は受験者数が数人で、受けやすくて受かりやすい状況は25年も続きそうだ。
一時、受験料を無料にして話題を呼んだ新渡戸文化(杉並区)。25年は2万円(複数回同時出願は2万5000円)と標準的な状況に戻した。四つの試験日に、2科・面接(グループワーク)、スピーチ・口頭試問、適性検査型を設けて50人ほどを募集している。[1日教科選択型]は最多の35人が受験し、実倍率は1.17倍だった。実倍率を見ていくと、[1日午後2科1回]は1.24倍、[2日2科2回]は2.75倍、[3日午後2科3回]は1倍、[4日2科4回](24年は11日)は合格者なし、となっている。志望者数は少ないながらも増加気味で、25年は受験生が少し増えそうだ。
幼稚園から初等部・中等部まで9年一貫教育というユニークな清明学園(大田区)については5日に入試を行い、若干名の募集となっているが、詳細は非公表となっている。