オリエンタルランドの「偉い人」は
言葉よりも時給アップで示してほしい
コロナ禍の影響をまともに受けて収入が大きく減り、生活が厳しくなっているはずの同僚たちはさぞかしたいへんだろう。そもそも「準社員」という呼び名からは、パークを支えるたくさんのキャストを懐柔しようとする策略が透けて見える。
オリエンタルランドの「偉い人」は事あるごとに「キャストのみなさんのおかげで」と口にする。働く側にしてみれば、こう言ってもらえるのは嬉しい反面、言葉よりも態度(時給アップ)で示してほしいとも思うのだった。
正社員のほうも大きく3通りに分けられる。
(1)総合職:いわゆる従来からの正社員。とくに文系の女子大学生の就職希望先として高い人気を誇る。
(2)テーマパークマネジメント職:従来、「テーマパーク社員」と呼ばれていた有期雇用の約800名の契約社員を2016年から無期雇用としたもの。テーマパークの管理業務を担当するが、総合職よりも処遇面で下回る。
(3)テーマパークオペレーション社員:準社員のうち、希望する者を募って2019年の下期以降に選考を始め、2022年までに準社員の約2割を無期雇用の正社員にする計画。これまでも非正規雇用の準社員にも社員登用試験はあったものの、極めて狭き門だった。今後のパーク拡張計画に向け、人材を定着させてパークの質を高めることを狙った新たな雇用区分といえる。準社員が勤務日数・時間帯を選択でき、一つの職種を担当するのに対し、「テーマパーク オペレーション社員」はフルタイムで、複数の職種を担当することが求められる。また、給料は、知り合いのキャストに聞いてみると月収20万円台前半のようで、正社員というものの決して恵まれているとはいえない。
「ボーナス」は誰にも無条件に支給されるのではなく、所定期間に何時間以上勤務したかなどのハードルが設けられていた。
自宅に帰り、妻に「ボーナスが出たよ、これだけ」と言って片手を見せた。金額を言ったら苦笑された。でも所詮アルバイトの身、出るだけでも良いと思わねば。
時給金額は基本時給ベース。なお、グレードと時給は必ずしも連動しておらず、たとえばGの最高時給は1150円だが、Iの最低時給は1100円であり、Iの最高時給は1250円でCの最低時給は1150円など逆転することもある。
時給はキャストの職種や勤務する時間帯によっても異なっているが、詳細は「東京ディズニーリゾートキャスティングセンター」のHPでオープンにされている。
イオンモールの旗艦店の位置づけであるイオンモール幕張新都心が2013年12月に開業したが(最寄り駅は京葉線の海浜幕張駅)、それが契機となり京葉線沿線のアルバイトの時給相場が跳ね上がったといわれている。そのために沿線の各種アルバイトとくらべてもキャストの時給は相対的に見劣りすることとなった。また、今はコロナのため状況が異なっているが、フードサービスキャストをするよりも外食産業のアルバイトをするほうが、はるかに時給がよくて稼げるというのが定説だった。