別のタイプの質問をすれば、ものの見方がすっかり変わり、新鮮な目で問題点を見つめ、それを解決することができるようになる」
『問題を生み出したときと同じ考え方をしていては、問題を解決することなどできない』――アルバート・アインシュタイン
「質問は歴史の流れさえも変えてしまったんだ。ひとつ、びっくりするような例をあげよう。想像してみてくれ――かつて遊牧民の社会はこんな暗黙の問いで動いていた。『どうやって水のある場所まで行こうか?』
だがね、問いかけをこんなふうに変えたとき、どんなことが起こったと思う?
『どうやって水を運んでこようか?』
この新たな質問が、人類のパラダイムを変えたんだ。
これが農業を始めるきっかけとなり、灌漑や水の貯蔵、井戸掘りといった技術が生みだされ、やがて水のある場所から何キロも離れたところに都市が生まれていった。ラスベガスを考えてみてくれ。新たな質問が人々の行動を変え、歴史の流れを変え、もう人類は引き戻せないところに来ている」
質問を変えれば
結果への道筋が変わる
「着替えや遊牧民のパラダイムシフトについては、質問がどんな役割をしているかはわかりますよ。でも、それがビジネスにどう活用できるんです?もっとはっきり言えば、私の抱えている問題にどう役立つというんです?」
「ポイントは質問が結果を左右するということだ」
とジョゼフは答えた。
「われわれがどう考え、どんな行動を起こし、どんな成果を出せるかはプログラミングされていると言ってもいい。たとえば、A、B、Cの3社を頭に描いてほしい。それぞれ、次のような質問に基づいて営まれている。
マリリー・G.アダムス 著、鈴木義幸 監修、中西真雄美 訳
A社:株主を満足させるもっともよい方法はなにか?
B社:顧客を満足させるもっともよい方法はなにか?
C社:従業員を満足させるもっともよい方法はなにか?
ビジネスの観点から、それぞれの質問は組織に異なる方向を指し示し、目標達成のための戦略に影響を与えるだろう。
覚えておいてほしい。『質問が結果を左右する』。
数千年前の遊牧民と同じように、Qテック社での日常にもこれが当てはまるはずだ」
質問が結果を左右する