復調の「芝国際」と狙い目「東海大高輪台」
2023年の首都圏中学入試で最大の話題校となったのは芝国際(港区芝)だろう。前年の東京女子学園としての最後の入試では実倍率1倍の入試回もあったが、いきなり10倍超えが続出し、その過熱ぶりに驚かされた。難度もアップし、中堅校に仲間入りしている。
合格者発表が日をまたいだことで騒ぎとなるなど、話題性には事欠かなかった。入試も一変、23年は東京都市大学付属のようなII類とI類の区分だったものが、24年は本科と国際(ADVANCEDとCOREコース)に分かれ、25年は国際のCOREコースが廃止されるなど、流動的である。当初の校長と学園長は去り、現在は鴎友学園女子で長く校長を務めた吉野明校長が奮闘している。
いろいろ区分が変更されているので比較はしづらいのだが、同じ日程で見ておこう。[1日〈午前〉]で、30人募集の4科「本科」。24年は45人が受験して、実倍率1.5倍(23年11.7倍、22年1倍)と恐ろしく変動している。志望者数は8割半増えているので、25年は2倍には乗せそうだ。10人募集の国数英3科[国際ADVANCED]の方は23人受験で1.44倍だったが、志望者数が少ないものの爆上げしており、25年の予想は困難だ。
ここから先の本科はいずれも2科である。[1日午後〈午後特待〉]と[2日午後〈午後特待〉]は、志望者数が98人と88人、実倍率が1.58倍(23年16.14倍)と2倍(23年13.47倍)とこちらも激しい動きだったが、志望者数は5割半増と2.2倍増と大きく増えそうで、25年は2倍と3倍には乗せそうだ。
[3日午後〈午後特待〉]も「本科」と5人募集の「国際ADVANCED」がある。受験者数は96人と30人で、実倍率は2.13倍(23年 17.1倍)と1.3倍(23年7.4倍)だった。志望者数は4割半増と12倍強増となっており、25年の「国際」がどうなってしまうのか予想不能である。新設された[5日午後〈午後〉]は、志望者数を見る限り、受験生が100人程度集まる勢いなのだが、遅い日程なのでこれも予想が難しい。
高級住宅街にひっそりとある東海大学付属高輪台(港区高輪)は、地道に人気が上昇中だったが、志望者数が全体的に減少しており、25年は狙い目の入試となりそうだ。いずれも昔ながらの4科で、[1日1回]は24年に108人が受験、実倍率は2.3倍(23年2.3倍、22年1.98倍)、[3日2回]は142人が受けて5.26倍(23年5.26倍、22年4.04倍)、[5日3回]は84人で7倍(23年7.75倍、22年5.91倍)と、回を追うほど倍率が上昇している。志望者数はそれぞれ、2割半減、1割弱減、1割減となっており、25年は1回が2倍程度まで緩和して特に狙い目の入試回となるかもしれない。