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自己承認欲求との向き合い方
今日は「自己承認欲求」についてお話ししたいと思います。自己承認欲求とは、簡単に言うと「自分のことを認めてほしい」という気持ちのことです。
この欲求は適度に持つ分には問題ありませんが、強すぎると心を振り回し、不幸の原因になることがあります。
自己承認欲求の問題点
自己承認欲求が強い人が抱える最大の課題は、「満たされることがない」という点です。
一時的に欲求が満たされたと感じても、すぐにまた「もっと上を目指したい」と思いがちです。
自分ができたことを「当たり前」と見なし、次々と新たな目標を設定してしまうため、充足感を得ることが難しくなるのです。常に不足感に苛まれ、心の余裕を失ってしまうのです。
自己承認欲求を和らげる方法
自己承認欲求に振り回されないための、3つの対処法を紹介しましょう。
1. 安心できる相手との関係を築く
自己承認欲求が高い人が落ち着くのは、多くの場合、自分を無条件に受け入れてくれる相手と出会えたときです。
信頼できるパートナーや友人など、自分のありのままを受け入れてくれる存在がいると、不特定多数からの承認を求める必要がなくなります。
自己承認欲求が強い人は、必ずしも多くの人からの承認を求めているわけではありません。実際には、信頼できる少数の人に安心感を与えてもらえれば、それで十分な場合が多いのです。
2. 自分の欲求を冷静に見つめる
「自分はなぜここまで認められたいと思うのか」を考えてみるのも大切です。その背後にある不安や不足感に気づければ、自己承認欲求が和らぐきっかけになるかもしれません。
3. 自己承認欲求を満たしてくれる環境を見つける
自分を無条件に受け入れてくれる環境や人間関係を探すことは簡単ではありません。
しかし、冷静に自分を見つめ、そのようなご縁を求めている人には、不思議とそのチャンスが訪れるものです。その際、大切なのは、そのご縁に気づき、育む姿勢です。
自己承認欲求を超えて
自己承認欲求が原因で不幸を感じる人が、安心できる人間関係を築いたことで落ち着きを取り戻すケースを多く見てきました。それは、その人にとって本質的な問題解決につながる方法のひとつです。
自己承認欲求に振り回されるよりも、自分を無条件に受け入れてくれる人や環境を大切にし、そこから得られる安心感を基盤にすることで、より幸せな生き方ができるようになるでしょう。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。