「あなたの組織の窓は、開かれているでしょうか?」
そう語るのは、これまでに400以上の企業や自治体等で組織変革の支援をしてきた沢渡あまねさん。その活動のなかで、「人が辞めていく職場」に共通する時代遅れな文化や慣習があると気づきました。
それを指摘したのが、書籍『組織の体質を現場から変える100の方法』。社員、取引先、お客様をうんざりさせる「時代遅れな文化」を指摘し、現場から変えていく具体策を紹介。「まさにうちの会社のことだ!!」「これって、おかしいことだったの!?」と、多数の反響があり話題に。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、「社外に出ようとしない職場」の問題点について指摘します。

人が辞めていく「ザンネンな組織」が社員に「禁止していること」・ワースト1あなたの組織の窓は、開かれているだろうか?(イラスト:ナカオテッペイ)

「窓の外」を見せてもらえない組織

 あなたの組織は、外に出ることに意欲的または理解があるだろうか。

 と言っても野外の青空の下で仕事をするとか、そういうことではない(もちろん後述するワーケーションのような取り組みでは、文字通り外に出て対話や仕事をすることもあるが)。積極的に社外の人と交流したり、社外の集いや研修会などに参加することへの理解だ。研修や本だけでなく、社外の人との交流も大切なインプットの機会である。

 世の中には、外に出ることをよしとしない企業や部署もある。
 
現在、筆者は地方都市で事業を営んでいるが、「外に出ることは悪である」「外に出る人を嫌う」文化が根強い企業も少なからずある。目先の仕事を優先しすぎるあまり、「外に出る暇があったら手を動かせ」などと同調圧力を働かせたり、他社に目移りして社員が退職するのを恐れたりしているようだ。

 外に出ず内に籠ったままだと、自分たちの良いところや悪いところに気づきにくくなる。新しい発想や知見も得られない。内向きの体質が色濃くなり、内部の論理だけが優先され、悪気なく世間からズレた行動や言動を繰り返すようになる。その悪さ加減にも気づきにくい。

課題解決のために、窓を開けてみる

 あなたが社外や世の中に対する好奇心が旺盛で、かつ内向きな組織文化にモヤモヤしているなら、周りの人にも外に出てもらおう。あるいは、あなたが外に出る市民権を獲得する。そのための方法を示す。