UFO目撃談が多く集まる「千貫森」
その謎を解くために設立された研究所
公の取り組みとしてUFO研究を行うというのは、いかにもユニーク。福島市観光交流推進室の担当職員は、この「UFOふれあい館」の存在意義について次のように語る。
「UFOをテーマとした資料館や博物館は全国的にも珍しく、市としても特筆すべき観光施設であると捉え、オリジナルの日本酒をはじめ関連商品の開発も積極的に進めています。現状、飯野町においては地域おこしのツールとして十分に役割を果たしているといえ、交流人口増による賑わいの創出にも好影響を及ぼしています」
近年、この「UFOふれあい館」がいっそう注目されるようになったのは、新たに同館の中に「国際未確認飛行物体(UFO)研究所」が設立されたことが大きい。初代所長に就任したのは、月刊「ムー」の三上丈晴編集長だ。
「2019年に月刊ムーが創刊40周年を迎えたこと、そして2021年6月24日が“UFOの日”であることに因み、2021年6月に研究所を設立いたしました。米国国防総省がUFOの存在を認めた現在において、世界中の目撃情報の調査やUFO遭遇への挑戦、そしてUFOの基地とも言われる千貫森の謎の解明を目的としています」(前出の担当職員)
千貫森とは「UFOふれあい館」の傍らに佇む、標高462.5メートルの円錐形の山のこと。周辺で古来よりUFO目撃談が多いことに加え、山頂付近の地下に空洞があるとされることが、千貫森がUFOの基地と考えられている理由だ。
なお、「国際未確認飛行物体(UFO)研究所」には世界中からUFO目撃情報が寄せられ、毎年その分析結果を6月24日の「UFOの日」に発表している。たとえば昨年は、200件あまりの目撃情報の中のうち2件について、「極めてUFOの可能性が高い」との見解をリリースし、大きな話題を呼んだ。
そんな同研究所設立の効果を、市の担当職員は次のように語る。
「三上氏を所長に迎えたことにより、施設のメディア露出が増え、研究所開設前には年間来場者が1万5000人程度だったものが、現在では2万2000人と約140%増に拡大しています。また、三上氏のファンが県内外、遠くは外国から訪れるようになり、月刊ムーとのコラボでグッズの売り上げも大きく増加しました」