誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになります!
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
不安が「消える」意外な方法
多くの人が見落としていたポイントとは?
今日は「不安を減らす方法」についてお話しします。不安というテーマは、多くの方が抱える悩みで、とても関心度の高いトピックです。
なぜ不安が起きるのか、そしてどうすれば減らせるのかを、私の経験を交えながらお伝えしたいと思います。
不安が起きるのは、人間が適度に考えることを抱えているときなんです。何も考えることがなければ、不安になることはありません。
ただし、何も悩みがない状態をつくるのは現実的には難しいものです。生きていれば、何かしらの出来事が起こり、それに向き合わなければならないことがあるからです。
今日だけ“乗り切る”でいい
考えすぎる人が不安を手放すシンプルな方法
特に不安になりやすい人は、少し先のことまであれこれ考えがちです。
逆に、考えることが多すぎると、不安が減る場合もあります。どう考えても処理しきれない量のやることがあると、人は自然と「もう目の前のことだけやろう」と諦めるようになるからです。
無理だと悟ると、先のことを考える余裕がなくなり、不安が軽減されるのです。たとえば、仕事が多すぎると「とりあえず今日だけ乗り切ればいい」と切り替えることができ、不安を感じる暇がなくなるのです。
一番不安を感じやすいのは“中途半端”
今日だけ集中する習慣が効く理由
一番不安を感じやすいのは、やることが中途半端にある状態です。考えることがありすぎてもなさすぎても不安は生じにくく、適度に抱えている状態が不安を引き起こすのです。
この状態を改善するためには、やるべきことを「その日のことだけ」に限定して考える習慣をつけるのが有効です。
私自身、不安になりやすい性格なので、この方法を実践しています。仕事がそこそこ多いときでも、スケジュールを細かく分解して「今日はこれだけやればいい」と決めています。
今日できることはこれだけ!
不安を感じやすい人が実践する分解術
たとえば、大きな講演会が1週間後に控えていて、不安になっているとします。そんなとき私は、「今日はスライドを1ページつくるだけ」といった小さな目標に分けます。
不安のタネを細分化して、今日の分だけをこなせばいい状態をつくるのです。このやり方を習慣化してからは、不安を感じることがかなり減りました。
こうしてスケジュールをしっかり立てることによって不安がなくなり、講演当日の朝になって「そういえば、今日が発表日だった」と気づくこともあるくらいです。
それでもスケジュール通りに準備しているので、問題なく進められます。
不安を細分化するだけ!
今日から始めるシンプルな習慣
不安が多い方には、やるべきことを1日ごとに細かく分けることをオススメします。
「今日はこれだけ考えればいい」と割り切れると、それ以外のことを考えずに済むからです。
こうした方法で、不安を少しでも減らしていきましょう。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。