「Why?」を引き出す工夫
――具体的にどのような工夫をしていますか?
福島 たとえば僕は「ダレスバッグ」という、お医者さんが往診で使うような大きなカバンを使っていました。そんなカバンを使っている営業はいませんから、お客様は必ず注目してくれます。
しかも鍵も付いているので、「なぜそんなカバンを使っているんですか?」と聞いてくれます。そこで「書類をなくさないために鍵付きのバッグを選んだんです」と説明すると、「とても素敵な理由ですね!」と言ってもらえるんです。
自己紹介は経歴だけに限りません。このように、自分の「信条」をさりげなくアピールできる第一印象も心がけています。
今井 営業パーソンが「Why?」を使ってお客様を深掘るという話はよくありますが、お客様から「Why?」と聞きたくなる状態に持っていく考え方は面白いですね。
福島 ネクタイ、靴、カフスボタンなど、どんなアイテムでもかまいません。そこに意味を持たせ、相手が「Why?」と聞きたくなる工夫をすることが大切です。
オンライン営業での第一印象
今井 僕も福島さんと同じようなことをしているかもしれません。
たとえばZoomの背景に、実際の自宅の背景をそのまま使っています。すると相手から「それって本物の背景ですか?」とよく聞いてもらえて、自然と会話のきっかけになります。
福島 とても良いですね。オンラインなら、後ろに置く小物にも工夫ができますよね。僕は岡本太郎が好きなので、相手から聞いてもらえるよう、「太陽の塔」のフィギュアをポツンと置いていた時期があります。
今井 オンラインでもオフラインでも、相手から自然に「Why?」を引き出す工夫が大切ですね。
福島 そうです。営業は「話す」より「聞かれる」ことが重要です。相手に興味を持ってもらうことで、こちらの話にも耳を傾けてもらえますから。
まとめ:究極の第一印象を作るために
今井 第一印象のポイントをまとめると、どんな感じですか?
福島 次の3つが大事ですね。
1:「自己紹介」につながる第一印象を与える
2:相手がつい「聞きたくなる」状況を作り出す
3:相手から「Why?」を引き出す工夫をする
今井 これらを意識すれば、第一印象でお客様の心を掴めそうですね!
福島 営業は最初の数分が勝負です。その短い時間で関心を引き、信頼関係を築いていきましょう。
(本稿は、営業職の情報プラットフォーム “YEALE(エール)”企画によるトークセッション形式のイベント「セールスハッシュタグ」で行われた、『記憶に残る人になる』の著者・福島靖氏と『Sales is』の著者・今井晶也氏の対談をもとに構成したものです。 YouTube(2B Sales チャンネル)から、対談の動画も視聴できます)