インドに進出して30年で累積3000万台生産を達成

 こんにちは、AD高橋です。

 フロンクスが生産されているのは、スズキの子会社であるマルチ・スズキ・インディアのグジャラート工場。マルチ・スズキ・インディアは、2024年に四輪車の生産が年間200万台を超えました。1年間の生産台数が200万台を超えたのはスズキの生産国で初めてのこと。ちなみに日本国内での2024年1~11月の累計生産台数は94万8481台。日本での生産よりもインドでの生産のほうが多いのですね。

輸出される車インドの工場で生産されたクルマは、日本や欧州など、世界へ輸出されています(広報写真)

 2024年4月にはインドでの四輪車生産が累計3000万台を達成。インドでの生産がスタートしたのは1983年12月。つまり40年4カ月で累計3000万台を達成したことになります。日本での累計3000万台生産は55年2カ月かかったそうですから、驚異的な早さです。ちなみに2024年11月にはインドからの四輪車輸出の累計が300万台を達成しました。

インドのモディ首相とスズキの鈴木俊宏 代表取締役社長インドのモディ首相とスズキの鈴木俊宏 代表取締役社長(広報写真)

 インドでは2025年にカルコダ新工場が稼働予定。さらにグジャラート州政府と新工場を建設することで合意。この工場はマルチ・スズキ・インディアが運営します。さらにスズキ・モーター・グジャラート社が運営する工場に第4生産ラインを増設(2026年稼働開始予定)。このラインは将来的な電気自動車の増産を視野に入れたものだといいます。いやあ、スズキ、攻めていますねえ。

昨年11月、初のバッテリーEVを発表

「将来的な電気自動車の増産」ですが、スズキは2024年11月に初のバッテリーEV、e VITARA(イービターラ)を世界初公開しました。

欧州で初公開されたe VITARA欧州で初公開されたe VITARA(広報写真)

 ビターラは日本において「エスクード」の名称で販売されたモデル。日本では4代目の販売が2024年4月に終了し、後継モデルは登場していません(フロンクスが後継モデルとされることもありますが、フロンクスはエスクードよりも一回り小さなモデルになります)。

 e VITARAはビターラとは顔つきがかなり変えられました。デザインテーマは「High-Tech & Adventure」。「BEVならではの先進感と力強さを併せ持ち、冒険心を刺激する力強いたたずまい」と解説されています。

e VITARAe VITARAには悪路を走行するSUVならではの性能も与えられています(広報写真)

 駆動方式は前後にモーターを配置する電動4WD。片輪が浮くようなシーンでも、空転したタイヤにブレーキをかけて反対側のタイヤに駆動トルクを配分するトレイルモードも備わっています。

 e VITARAは今年の夏頃から欧州、インド、日本など世界各国で順次発売するとのことです。何かと逆風が吹くBEVですが、e VITARAはどのようなモデルなのか、早く乗ってみたいです。