フロンクスのリアシートが広い理由は?
ところで、フロンクスの試乗編での本コーナーで、「フロンクスのリアシートが広い理由をフェルさんが聞き出した」と書きました。今回、本編ではその話に触れなかったので、最後にお伝えしようと思います。
フロンクスは全高が1550mmと低く設定されているクーペSUV。ルーフはリアに向かうにつれてなだらかに傾斜しています。この形状はリアシートの居住性という面ではどうしても不利に働きます。しかしフロンクスのリアシートは身長188cmの私が座っても頭上に窮屈さを感じません。インドでもフロンクスを買った若者が週末に親を後席に乗せて出かけるという話がありました。
このパッケージを実現するために工夫したのがバックドア。一般的にバックドアを開閉するためのヒンジは、ルーフをフラットにするためにルーフの中側に配置されます。するとヒンジの分だけどうしてもリアシートの天井部分を下げないといけなくなります。
フロンクスは日本での使い勝手を考えて全高を1550mmに抑えながらリアシートの居住性を確保するために、バックドアのヒンジをボディの外側に追いやっているそうです。そのため、ルーフのバックドア部分にはこのようなふくらみがあります。
このでっぱりをデザイン処理で違和感がないようにし、居住性とスタイリングの良さを両立しているそう。さすがスズキ、こうした部分からも、サイズに制限のある軽自動車で広い室内空間を実現するためにパッケージングを研究してきたメーカーならではの技術力を感じました。
(AD高橋)