6位プノンペン(カンボジア)
「ポスト中国」にANAは再開するか
6位はカンボジアの首都プノンペンだ。コロナ禍前はANAの直行便があったが、現在も運休している。復活を望む声は根強く、23年9月にカンボジア側からの意向で「近日中再開」の報道もあったがANA側から再開の知らせは出ていない。
理由は、日本側の受け入れ態勢にありそうだ。ANAはコロナ禍で長距離線用機材を大量に売却してしまい、その後はボーイングの品質問題の影響で次期機材の導入が遅れている。
また、日本は空港スタッフ不足や航空燃料不足もあり、諸外国からの増便要請を断らなければならない状況となっている。これはプノンペンに限らず、本ランキングで紹介している多くが同様の課題を抱えている。
ただ、カンボジアは東南アジアの中でも人件費が安くビジネス面では「ポスト中国」の候補地として挙がることも多い。そして、日本人にも人気の世界遺産アンコール・ワットなど観光ニーズもある。一刻も早い直行便再開を願いたい。
7位ナッシュビル(米国テネシー州)
日系企業が集積、滑走路延伸計画も
7位は米国テネシー州のナッシュビルだ。テネシー州には日産自動車やブリヂストン、デンソー、隣接するケンタッキー州にはトヨタ自動車やアイシン精機など日本の大手自動車メーカーや部材企業が進出する一大拠点であり、この地で働く日本人は多い。
ナッシュビル国際空港は滑走路の長さに難があり(1本が3362m、残り3本は2500m未満)、大型機が離発着できず、今は国内線中心だ。しかし、滑走路1本を3600mに延伸するなどアジア路線の誘致を計画している。中でも東京が有力候補だ。
乗り継ぎ需要が期待できないのがもう一つの難点だが、ビジネス需要はかなりありそうだ。なお、米国路線のビジネス需要といえば、ITや電気自動車(EV)などの産業進出が相次ぐテキサス州の州都・オースティンも日本路線開設がうわさされている。