大の悩みに和田先生が回答している様子を見ていると、紹介されているメソッドが役に立つ場面を具体的に想像することができる。自然と「自分もいっしょに実践してみようかな」という気持ちが湧いてくるはずだ。
効果的なメソッドが紹介されていながら、語り口がやわらかく、親しみやすい。一気に読んでしまうのも、本に書かれたことを実践しながら5日間トレーニングしてみるのもいいだろう。
本書のメソッドを実践していくことができれば、今までとは違った言葉の力を自分の内側から感じることができるはずだ。
一読のすすめ
本書には実況中継を行う訓練や、擬人化して考える方法、話し始めで相手の心を掴む方法など、ユニークで取り組みやすいメソッドが多数掲載されている。最初は「思いつく」ことにすら苦労していた大が、「考える」「発想してまとめる」という段階を経て、「伝える」さらには「説得力を増す」というところまで到達していく様子は、言葉に苦手意識を持っている人を勇気づけてくれるだろう。和田先生の講義を受ける大の様子を見守りながら、ぜひ本書をお楽しみいただきたい。
さらに深掘りしたい方はこちら
https://www.flierinc.com/summary/2470
自分よりも相手を優先しよう
会話が円滑に進められる本
著者/安達裕哉(ワークワンダース株式会社代表取締役CEO)
【この本の要点1】
あなたの頭のよさを決めるのは他者だ。「頭のいい人」と認められれば、話を聞いてもらいやすくなるだけでなく、自分の希望が通りやすくなる。
【この本の要点2】
コミュニケーションがうまい人は、自分の承認欲求を抑制し、他者の承認欲求を満たすことに注力している。
【この本の要点3】
「成り立ちを知ること」は、その対象を深く考えたり、新しいアイデアを出したりするためのヒントになる。
おすすめポイント
「テクニック」だけでは、人の心は動かせない。じゃあ、どうすればいい?結局、センス?才能?生まれ持った頭のよさ?いえ。必要なのは、話す前に立ち止まる勇気だーー本書の帯に書かれているキャッチコピーである。
著者の安達裕哉氏は、デロイト トーマツ コンサルティング(現アビームコンサルティング)に新卒入社し、大阪支社長、東京支社長を歴任したのちに独立した。