さらに深刻なのは、確定申告や督促状などで税金の支払いが発生した際、支払う余裕がないといったケースです。支払えない時の対策として、クレジットカード納付を選択する人がいますが、その後の生活が苦しくなってしまう、というケースも毎年見かけます。利便性を重視して導入されたクレジットカード納付ですが、「お金が足りないから」という理由で利用すると、自分の首を絞めることになりかねません。

「蓄えがないから、税金も払えない」

「蓄えがないから、税金も払えない」と相談にやってきたのは、4歳の子どもを育てながら企業の事務職員として時短勤務をするKさん(32歳)。夫(35歳)も会社員で、共働き世帯です。

 Kさんは子どもが小学校入学までの時短勤務が認められていますが、その分収入は減ったままです。将来を見据えて育児休業中から準備を始め、空き時間を使って動画編集の技術を習得しました。

 当初はYouTubeでの収入を目指しましたが、思うような結果が得られず方向転換。結婚式のプロフィール動画制作や企業PR動画の編集など、クラウドソーシングを通じた仕事で収入を得始めました。最初は月1万~2万円程度の収入でしたが、利用者からは好評で、月7万~10万円ほどの収入まで成長しました。

 時短勤務による年収は、フルタイム勤務の頃より25%減の約250万円。ボーナスはなく、手取り月収は約16万7000円です。夫の手取り収入24万円と合わせて、月に約40万円の世帯収入となります。フルタイム勤務時代もなかなか貯蓄できなかったので、職場復帰後は月に1万円でも2万円でも貯金をしたいという思いが、副業を始めるきっかけとなりました。

 副業で収入を得られるようになったとはいえ、子育てにかかる出費は予想以上でした。保育園入園に伴う準備品や、すぐにサイズアウトする子供服、靴などの出費が続きます。保育園は無償化されているとはいえ、給食費やおやつ代は必要。行事があればその写真代も毎月のように発生します。

 仕事の疲れから外食やデリバリーの利用も増え、副業収入を含めても毎月の収支はギリギリ、時には赤字になることもありました。当初の目的だった貯蓄は、思うように進まない状況が続きました。