人間ですから、間違いはあります。間違えたら、謝る。そして、なぜ間違えたのかも読者に真摯に報告する。このスタイルをこれから堅持すれば、新しい週刊誌像を読者に知ってもらうことができるでしょう。

 さて、話題をフジテレビに移すと、問題は27日に行われた「出直し会見」です。日をまたいで10時間以上に及んだ会見を見て、私は3月末に第三者委員会が調査の結論を出すまで、フジ再起の道のりは相当厳しくなったと思いました。

 なぜかといえば、もともと中居正広と被害女性との話し合いは当事者間で終わっており、守秘義務まで決められている以上、フジテレビ側が独自に調べられる範囲は限られてしまうからです。

 この事件については、ドンと呼ばれるフジ・メディア・ホールディングスの日枝久取締役相談役(フジサンケイグループ代表)にも報告が行っており、逆にフジテレビでコンプライアンス推進室を担当していた遠藤龍之介副会長(民放連会長)に報告がなかったことが判明しています。ベールに包まれているのは、中居と被害女性の会食に関わったとされていた編成局幹部の役割や、中居の被害女性への対応などですが、これらには当時者間における守秘義務の壁が立ちはだかっています。

 ただ、今のフジテレビにとって、3月の第三者委員会の結論を待ってはいられない事情があることも事実です。なるべく早く真摯な対応と大きな変革を断行しようとしていることを、スポンサーに説明するしかありません。

メディアも視聴者もクライアントも
フジの「本気度」に納得できない理由

 すでに会見前からフジテレビの港浩一社長の辞任説は流れていましたが、結局、港氏に加えて同社の嘉納修治会長も辞任を発表。フジ・メディア・ホールディングス専務の清水賢治氏がフジテレビの新社長に就任することが発表されました。遠藤副会長も会見翌日に、第三者委員会の報告書が提出される3月末をメドに辞任する意向を示しました。

 が、残念ながらこの程度では、メディアも視聴者もスポンサーも、フジの「本気度」に納得はしませんでした。事件当時編成局長だった関西テレビの大多亮社長、被害者から相談を受けていたのに問題解決に向けた行動をとらなかったと報じられたアナウンス室部長の佐々木恭子氏らに謹慎くらいはさせるべきだったと思いますが、それもなし(問題の編成幹部については、後日、社内で配置転換が行われたと報道されました)。何よりも、フジ労組が第一の要望として提出していた日枝氏の会見出席もなかったからです。