大阪の古い街並みに残る
「標準的なY字路」
一般的にY字路と言ったときに想像されるのは、60~30度あたりのものではないかと思う。これくらいであれば、スマホで写真を撮っても左右の道を十分に見通すことができる。これは私見だが、Y字路において一番「道」が主役になりやすいのはこの角度帯のY字路であると思う。これより広いと道を見通すことが難しいし、これより狭いとむしろ真ん中の建物に目がいってしまう。
角地利用という点でも、この角度帯のY字路はバランスがとれている。残余地を広場のように使うこともできるし、柵や塀で囲ってしまってもいい。さまざまな使い方を許容する、オールラウンダーなY字路だ。
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この写真はどちらも大阪・中崎町で撮影したものなのだが、実はこの2つのY字路はとなりあっている。写真2の右側に写るのが、写真3のY字路だ。中崎町は空襲を逃れた古い町家が多く残り、若者に人気のスポットとなっている。しかし、取り壊されてしまう建物も多く、写真3の建物も2020年ごろに解体された。
トガりすぎ!?
「鋭いY字路」のユニーク物件
Y字路も30度以下になってくると、凄みが出てくる。いや、私が勝手に感じているだけなのだが、このくらいのY字路はなかなか出会えないため、見つけたときは心が踊る。限界まで狭められたその角は、Y字路でしか見られないようなユニークな景観を呈する。