
フジ・メディア・ホールディングス(HD)は数多くの企業が連なる「メディア帝国」だ。グループの構造を紐解くと、看板に掲げるメディア以外の「稼ぎ頭」が浮かび上がる。特集『フジテレビ崩壊 沈むメディア帝国』の#12では、フジ・メディア・HDの主な関連会社33社の利益貢献の大きさを明らかにする。また、巨大グループの強い結束の背景には、グループ会社へのフジテレビの影響力がある。フジテレビに「おんぶに抱っこ状態」の企業とは。(ダイヤモンド編集部 猪股修平)
メディアが中核事業だが
収益では「不動産会社」!?
巨大帝国──。フジ・メディア・ホールディングス(HD)はまさにそう形容するにふさわしい。グループには子会社89社、関連会社50社が連なる。メディア企業のイメージが強いが、実像はさまざまな業態を内包するコングロマリットだ。
事業は大きく分けて2種類ある。放送局や制作プロダクションが属する「メディア・コンテンツ事業群」、そして不動産やホテルが属する「都市開発・観光事業群」である。
2024年3月期の売上高5664億円のうち、メディア・コンテンツ事業は4336億円と7割強を占めるが、営業利益では全体の335億円のうち、都市開発・観光事業が5割強の195億円を占めた。
では、グループ会社の中での「稼ぎ頭」とは。次ページでは、フジ・メディア・HDの関連企業33社の利益貢献度をランキング化し、影響力の大きさを紹介する。そして、フジテレビの支援が欠かせないグループ会社の実態についても明らかにする。