PHEVはFun to Driveな電動車。操るのが楽しい!
CX-80はマツダらしさを全身で表現している

 翌日は、PHEVをドライブした。運転席に座って航続距離の表示を見ると、EV走行距離は105kmと表示されていた。大人しく走ると延々とEV走行し続ける。

 前日と逆のルートをいろいろなモードな試しながら走る。モードを変えると、ドライブフィールがわかりやすく変わる。

 PHEVはスペック値のとおりパワフルで、とくにスポーツモードのダイレクト感のある走りは気持ちいい。全体的にCX-60よりもスムーズになっている。ただしバイワイヤ式のブレーキは、ややリニアでないところがあり、踏む側も戻す側も微妙に応答が遅れる感覚があった。だが全体のフィーリングはまずまずだ。

 運動性能は優秀。ディーゼルよりもフロントが軽くてリアが重く、重量配分がほぼ均等になっており、回頭性は軽快だ。

 重くなったリアの動きを抑えるため足回りが固められたからか、後席の乗り心地はディーゼルよりも若干硬めに感じられた。だが、大きな違いはない。

 先発のCX-60に乗ったときには、期待値が高かったこともありガッカリした。CX-5であれほど高い完成度を見せておきながら、すべて振り出しにもどったように感じたからだ。いくら全面的に新しくしたとはいえ、CX-5で実現した「いい状態」は把握しているはず。それとあまりにかけ離れていたので、ガッカリしたのだ。

 CX-80の実力は、CX-5の域にだいぶ近づいて、開発陣が本来実現したかったことが理解できた。開発担当氏が、「やはりドライバーがファーストであって、ドライバーが心地よく走れることが、結果として同乗者にとってもいい環境を提供できる」と述べていたのが印象的だった。

(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/横田康志朗)

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