「行動できて結果を出す人たちに共通する、ある考え方があります」
そう語るのは、転職エージェント「キープレイヤーズ」代表の高野秀敏さん。1.1万人以上のキャリア相談、4000社以上の採用支援の経験を持つヘッドハンターであり、「現場」と「経営者」の両方の視点で、「圧倒的に活躍する人たち」と関わってきました。
その高野さんがベンチャー流の「結果を出す働き方」をまとめた書籍『ベンチャーの作法』が刊行。“きれいごと”抜きの仕事論に、「ベンチャーにかぎらず全ての組織で役立つ!」「よくぞここまで書いてくれた!」と、SNSで多数の感想が投稿され、自社の「課題図書」にする企業も続出するなど異例の反響となっています。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、「仕事ができる人の特徴」についてお伝えします。

「行動できない自分」が一瞬で変わる、たった1つの考え方Photo: Adobe Stock

全体は「楽観」し、過程は「悲観」する

「総論楽観、各論悲観」という言葉があります。

 京セラや第二電電(現KDDI)の創業者である稲盛和夫さんの経営哲学のひとつ、「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」を表した言葉です。

「失敗するかもしれない」と、暗い気持ちで取り組んでは何事も苦しくて続かない。
「自分は大丈夫だ」と楽観的に思えることがとても大事。
 ただしその過程においては「何かが起きるかもしれない」と悲観的に考えて、ひとつひとつの仕事のリスクを考えて潰していく必要がある。

 インテリジェンスでもよく使われていた言葉で、今でも大切にしています。

でも、無理に「楽観」しなくていい

 とはいえ、総論すら楽観的に考えられないのが人間というものです。
 どれだけリスクを潰しても不安で行動できない、心配性な人も多いでしょう。

 そんな人は「総論悲観」でもいいと思います。
 はじめは悲観的でも、行動していくうちに気持ちが変わっていくこともあります。

 私がこれまでに支えてきた起業家たちも、多くは心配性すぎる性格でした。ですがそういった人たちが上場以降、どんどんと自信をつけていく姿を見てきました。

「悲観」したまま、一歩目を踏み出そう

 総論も各論も楽観的で詰めの甘い仕事をするよりは、悲観的すぎるほうが何倍もマシです。

「社長はいけると言っていたけど、本当に大丈夫なのかな?」

 不安な気持ちを抱えたまま飛び込んでみてください。
 その先にある小さな手応えが、あなたに自信を与えてくれるはずです。

(本稿は、書籍『ベンチャーの作法』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です)