学歴が与えてくれる「たしかなもの」
また、学歴は僕らに活躍の場を提供してくれるものでもあります。仮に皆さんが東大出身でなにかにチャレンジしようとした場合、大半の大人は「頭のいい学生のことだから、なにか深い意図があるのだろう」と多少なりとも話を聞いてくれます。
その先で成功するかどうかは別ですが、このようにして学歴はチャンスを生み出してくれます。持っておいて損はないのではないでしょうか。
とはいえ、学歴だけあっても意味はありませんし、そんなナンセンスな議論をここでするつもりもありません。ただ、1つ覚えておいてほしいのは「持っていて損はないもの。それが学歴」ということです。
僕はさまざまなインタビューで、「学歴ってなんですか?」と聞かれたときに「学歴とは武器である」と答えています。学歴があればさまざまなことに挑戦できるチャンスが増えます。ここであえて「武器」と言っているのは、学歴は使い手の力量によって必殺技になることもあれば、使いものにならないこともあるからです。
仮に学歴があったとしても、人間性が備わっていなければ意味がないですし、学歴にあぐらをかいて努力を怠るようでは、どんな場所でも活躍することはできません。武器を活かすも殺すも自分次第です。
「学歴なんて自慢するものではない」という風潮が今の世の中にはあります。理解できます。
ですが、一方で「学歴」はその人が努力した証だとも僕は思います。高校球児が甲子園を目指すのと同じように、受験生だって大学受験を通して自分の限界に挑んでいます。その成果として得たものが学歴なわけですから自慢をすることはせずとも、せめて誇ってはいいのではないでしょうか。
どんな結果でも、大変な大学受験をやり切った人には「努力する力」と「やり切る力」という生きていくうえで最も必要なものが身につくと僕は感じます。これも大学受験が僕らに与えてくれる大きな恩恵です。
大事なことは大学受験という機会を通して、人としてどれだけ成長できるかです。学歴以外にも世の中に大事なことがあるのは間違いありませんが、学歴や大学受験から学べることもたしかに存在します。
大変な大学受験にせっかく挑むわけですから、ぜひ自分らしく楽しみにながら多くのことに気がついてほしいと思います。僕は浪人までして大学に進学しましたが、そのときに得たものは非常に大きいものでした。