「あー」という瞬間をつくる
――お子さんには、どのような勉強の指導をしているのですか?
勉強をやりたくないと言ったら、僕は「勉強はしなくていい」と思っている。ここでもトレーニングと共通しているのは、「ドーパミン」が出るかどうか。ドキドキするものがないと、興奮できない。
「あー、ミスったな」の「あー」という瞬間が重要。これまで正解していたのに、9問目で間違ったらクソみたいな感情も大事。
人間の記憶は感情と結びつく。
これ、お笑いのときもそう。爆受けしたとき、覚えているんです。「ここすべったら、一生呼ばれないだろうな」と、緊張感ある現場で、笑いが取れて、「あー、よかった!」とか「強烈にすべった~」とか。勉強でも、「あー」という瞬間をつくることで、頭に焼き付けるんです。
――ゲーム化して、感情で結びつける。大正解のやり方ですね。
軽いバーベル、軽いマシンを使っても、トレーニングに効かないなと感じる。重くした場合、なんとなく効いているなとわかるじゃないですか。勉強もそうで、全然入ってこない。そんなときはやめる。頭の中にはいってくる教材を見つけたほうがいいですね。
僕の場合、最短距離をとっていないし、効率を求めていない。人間、最短距離をとると、死ぬしかない。どれだけゆっくり行くか。どれだけ遠回りするかですね。