韓国で50万部の超ロングセラー、韓国で社会現象を巻き起こした『勉強が面白くなる瞬間』。この本を読んで、中高生の98.4%が「勉強をしたくなった」と証言! なぜ、勉強をしなかった人たちが勉強に夢中になるのか。10代~70代の世代を超えて多くの人が共感。そこにノウハウは一切ありません。ただ、この本を読んだ人にはわかることでしょう。いま、再燃している『勉強が面白くなる瞬間』から、その驚くべき内容を紹介する。
今回は、本書と、最新刊『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』の共通点を紐解きながら、ゲーム依存から脱し、勉強で人生の活路を見出した2人の成功者からの学びを抽出します。今話題の本の魅力に迫る!(構成/ダイヤモンド社武井康一郎)
あなたができると思えばできるし、できないと思えばできない
勉強がまるでできない落ちこぼれが人生を憂い、大きなターニングポイントを迎え、かたや国内一流大学に、かたや難関の国家試験に合格し、生きたい人生を歩んでいる。そのふたりは、『勉強が面白くなる瞬間』『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』をそれぞれ上梓。韓国で大ベストセラーとなった話題の2冊だ。
勉強の本でもあるが、テーマは「自分の人生をどう生きるか」です。
一度きりの人生をどう生きるのか? それは他の誰かが決めることではない、自分で決めることです。ふたりは、どこかで「できない」「自分には無理」とあきらめていました。そんな彼らでも変わったのですが、スタート地点がマイナスである彼らは、読者にとって決してやさしい言葉を送ってはくれません。
中高生の98.4%が「勉強したくなった」と回答した『勉強が面白くなる瞬間』は冒頭から読者を追い詰めていきます。多くの本は、「大丈夫」「まだ間に合う」と景気のいい言葉をならべながら、読者の気持ちを醸成していくもの。ただ、『勉強が面白くなる瞬間』に限っては、「手遅れ」に対して、慰める言葉は存在しない。
これから、勉強するにしても、すでに勉強をして前を走っている人たちを追い越すには、同じスピードでは追いつかないからだ。
一方、タイトルから、およそその覚悟が伝わる『たった一度でもすべてをかけたことがあるか」の第2章「ひとまず決心したらすべてを断ち切って始めよう」にはこのような言葉がずらり。
「人と同じようにやっていては人と同じように失敗するだけだ」
「生まれ変わってもこれ以上はできないと言えるほどの努力をしているか?」
「人生は一度きり、次はないと思うことが大事」
「『できない』のではない、『しない』だけだ」
読者の気持ちを考えずに追い詰めてくるが、勉強で人生をつかむには、並大抵の努力ではかなわないことの示唆である。ここで脱落する人もいるのかもしれないが、そこは、韓国のベストセラー。それだけでは到底終わらない。
両書の特徴は、「自分が○○した」と一人称がメインになっていないことである。多くのエピソードとともに、客観的に読めるよう、読者に語り掛けてくる。
『勉強が面白くなる瞬間』には、こうある。
哲学者サルトルの言葉にあるように、「人生はBからDの間のCで決まる」。BとはBIRTH(誕生)、DとはDEATH(死)。その間のCとは、CHOICE。まさに、人生は選択なのである。
『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』著者チョン・ソンミンさんは、こう言う。
(中略)
「時間がなくて」「お金がないから」―そう言って決断を遅らせる人が、それを後からやることはありません。また別の言い訳ができるからです。人生では、次はないと思うことが大事です。どんなことであれ、思い立ったときに実行に移すべきです。
つまるところ、あれやこれやと考えるうちに、時間だけが過ぎてしまう。お金がない、時間がないなどと言い訳を作るのをやめましょう。
あなたができると思えばできるし、できないと思えばできない。
どちらにしても、あなたが思ったことは正しい。
かのヘンリー・フォードの言葉です。『勉強が面白くなる瞬間』のパク・ソンヒョクさんも似たようなことを言っている。
ここまで読んでくださったということは、答えはすでにあるはずです。自分を留める理由はすべて去って、一度しかない人生、自分のために生きましょう。それは先人が教えてくれた知恵でもあるのですから。