二つ目は、「三方よし」の精神です。
近年、企業経営におけるSDGsの重要性が一段と高まりを見せていますが、その中で、たびたび「三方よし」という言葉が引用されています。この「三方よし」は、売り手、買い手、世間の三方が共に満足するという共存共栄の考えにあり、近江商人の経営哲学をルーツとする現在の当社の企業理念です。創業の精神として引き継がれ、160年以上続く商いの精神であり、調和の心です。
皆さんもこれからの会社人生の中で、思い悩んだり、失敗したりすることがあるかも知れません。そんな時、自分に原点を振り返らせ、克服するエネルギーを与えてくれるのが「ひとりの商人、無数の使命」と「三方よし」です。本日、この二つの言葉を常に心にとどめておいて頂きたいと思います。
現在、当社は、岡藤会長CEOの指揮の下で「マーケットイン 利は川下にあり」の経営戦略に加え、独自の働き方改革でトップ商社の一角を担うまでに成長し、世間から注目を浴びる会社となりました。皆さんの知る伊藤忠商事も総合商社のトップを狙う会社という認識だと思います。昨年6月には時価総額が12兆円を突破、9月には上場日本企業の中で商社トップとなる時価総額9位にランクインしました。
しかしながら、振り返れば当社は非財閥の生まれであり、大阪の繊維問屋から現在の総合商社へと成長する過程では、戦乱は当然のこと、その後も成功と失敗を経験しながら、数々の困難を乗り越えてきたということも知って頂きたいと思います。
他社に比べて社員数の少ない当社がこれまでの困難を乗り越えられた原動力は、一人ひとりの社員の頑張りに他ありません。幾多の困難を乗り越えてきたのは社員たち、そして、これからの未来を切り開くのも社員たちの力です。今日から皆さんも当社の社員です。皆さん一人ひとりが強い社員となり、次の伊藤忠商事の未来を担う原動力となることを期待しています。