「大学受験」は10代における最大のイベントです。残念な側面でもありますが、いい大学にいけば、なりたい職業になれる確率は上がり、将来の選択肢は増えるのが現在の日本です。それほどまでに大学受験の持つインパクトは大きくなっています。そんな難しい時代でも「自分らしい大学進学」をするために書籍:『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』が発売されました。本書は、きれいごとを抜きにして、「大学受験とはどういうものなのか」「人生とはどういうものなのか」を考えることができる受験の決定版です。本記事では発刊を記念して本文の一部を抜粋・再編集してお届けします。

高校生のうちに「未来のこと」なんてわからない
第一志望の大学は自分のやりたいことにあわせて選ぶことが大事ですが、ここで少し矛盾することを言います。それは、「やりたいことがないなら、少しでも偏差値の高い大学に行きましょう」ということです。
こんなことを言うと、「偏差値だけで大学を決めるなんてけしからん!」という大人が出てきそうですが、17~18歳でやりたいことが明確に決まっているほうが僕は珍しいと思います。というよりも、やりたいことなんて数年のうちに変わりますよね。
ましてや、僕のように地方から東京の大学に行ったら、華やかな世界を見たことによって夢が溢れ出てくるのは間違いありません。
かの相対性理論で有名なアインシュタインもこう言っています。「常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションにすぎない」と。皆さんの価値観を形成している常識は、ほかの人から見たら偏見にすぎないかもしれません。ですから、広い世界を見て「やりたいこと」が変わるのは当たり前のことです。
さらに言えば、日本は世界から見たら極東の小さな島国です。そのなかの限られた地域でしか生活したことがない人が、どうして将来を正確に予測することができるのでしょうか。
実際に僕も茨城県の公立高校に通っていたころは、特にやりたいことが明確だったわけではなく、漠然と「バリバリ働く大人になりたい!」と思っていました。今は当時の想像とはまったく違うことをしていますが、非常に楽しく幸せです。
そんなわけで、やりたいことがない場合はシンプルに偏差値の高い大学に進学するのがいいと僕は思います。ここで「偏差値が高い大学」を薦めるのは明確な理由があります。それは、そのほうが選択肢の幅が広がり、夢が見つかったときの軌道修正が簡単だからです。