これらの原因のほとんどは、いずれもぐっすり眠れることで改善が期待できるのです。
ぐっすり眠るためには、最初の4時間以内で深く眠る深睡眠が大事ですが、たとえ本人が十分に寝ているつもりでも、仕事やプライベートの忙しさから生活リズムが乱れて、睡眠の量どころか質まで足りなくなっている可能性もあります。
そんな「隠れ不眠」の人はたくさんいるはずです。
ぐっすり眠るための習慣を身につけて、眠気がとれずにボーッとした状態をなくしてパフォーマンスを上げましょう。
高齢になると
早起きになる理由
「歳をとると早起きになる」という話を聞いたことはありませんか?
実際に、中高年に「若い頃より早起きになったかどうか」を聞いたところ、早起きになったと答えた人が7割以上いたという調査があります。
どうして人は、歳をとるとともに早起きになるのでしょう。
第1に考えられるのは、日中の活動量の低下です。
起きているときにあまり活動しなければ疲労は少なくなります。すると、脳の回復のために必要な時間も短くてすむようになります。
特に、仕事をしなくなると社会的な活動量が大幅に減って眠りが浅くなったり短くなったりします。
第2の要因として挙げられるのが、脳の老化です。
高齢になればなるほど人はノンレム睡眠の状態に入りにくくなります。また、スムーズな睡眠を促すメラトニンの分泌も加齢とともに減少していきます。
つまり、脳の働き具合が変わることで、脳のリズムが変化していくのです。
もう1つ、将来的な不安などによって起こるストレスも、早起きの誘因となり得るでしょう。
睡眠のリズムが変わって眠りが浅くなると、ちょっとした刺激でも目が覚めやすくなります。少しの物音や温度変化だけでも目が覚めてしまい、中途覚醒や早朝覚醒が起こったりするのです。目が覚めてトイレに行ったあと眠れなくなり、結果的に早起きになってしまうこともあります。