このようにメンタルを安定させることは、ぐっすり眠る上で欠かせない重要な要素といえるのです。

睡眠時間と年齢同書より転載 拡大画像表示

夜中に何度もトイレに
起きてしまう原因は?

 夜中にトイレに行くために何度も起きたりすることはありませんか?

 その回数が多ければ、夜間頻尿を疑ってみたほうがいいかもしれません。

 夜間頻尿は、歳をとるとともに頻度が高くなり、睡眠に悪い影響が出てしまう症状です。日本泌尿器科学会によると、40歳以上の男女の7割(約4500万人)が、夜間に排尿するために1回以上起きるとされています。

 健康的な人でも夜間頻尿になることがあります。その場合は、多尿と膀胱(ぼうこう)容量の減少によるものがほとんどです。

 夜、多尿になるのは、体内時計が狂うことから起こります。体内時計が正しく動けば、夜になると抗利尿ホルモンが多く分泌されて尿をつくるのを抑えてくれます。しかしながら体内時計が狂うと、抗利尿ホルモンの分泌が抑えられ、夜中でも日中と同じように尿がつくられるので、トイレに起きるようになってしまうのです。

 また、高血圧のほか、うっ血性心不全や心機能障害などという疾患で多尿になることもあります。

 さらに、睡眠時無呼吸症候群による自律神経失調症によっても夜間頻尿が起こることがあります。睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に呼吸が10秒以上止まったり止まりかけたりする状態が起床するまでに何度も繰り返される病気で、重度の症状になると突然死のリスクも高くなります。

 目が覚めたときにのどがカラカラになっていたり、家族にいびきがうるさいとよく指摘されたりする人は注意が必要です。

 加齢が主な原因の夜間頻尿は生活習慣の改善でもある程度解消できますが、病気が原因の場合は基礎疾患の治療が欠かせないので、必ず医療機関を受診しましょう。