東山で色鮮やかなつつじを観賞

京阪宇治線「三室戸」駅から「中書島」駅で京阪本線に乗り換えて「七条」駅下車。東へ7分ほど歩くと京都国立博物館です。6月15日(日)まで、平成知新館で大阪・関西万博開催記念の特別展「日本、美のるつぼ―異文化交流の軌跡―」が開かれています。
敷地内で目を引く赤レンガの建物は、1897(明治30)年、帝国京都博物館として建てられた旧本館(明治古都館)。日本近代建築の黎明期に活躍し、赤坂離宮を手がけた片山東熊によるものです。現在は免震改修のため内部に入ることはできませんが、日本ならではの繊細な感性と、17世紀のヨーロッパ宮廷建築の華麗なるバロック様式とが融合したフォトジェニックな名建築。色とりどりのつつじがその建築美をよりいっそう引き立てます。敷地西側の表門と札売り場、七条通側の南門(現在の正門)に続く袖塀と共に、国の重要文化財に指定されています。
花めぐりの最後に、「蹴上のつつじ」と「鳥羽の藤」をご紹介しましょう。「博物館三十三間堂前」停留所から市バスに乗って「東山三条」で下車、東へ1.5kmほど歩くと蹴上浄水場にたどり着きます。地下鉄東西線を利用すれば「東山」からひと駅の「蹴上」駅下車です。こちらはつつじの名所で、毎年ゴールデンウイークのころに特別公開され、今年は4月25日(金)から27日(日)の3日間。
約4900本のつつじの花を楽しみつつ、浄水施設の見学、水質実験、デジタルクイズスタンプラリーなど参加・体験型イベントが同時開催。京都の水について学べる機会でもあります。雨天決行ですが、荒天時は中止になる場合もありますので、公式サイトで確認してからお出かけください。

同じく京都市上下水道局が管理する鳥羽水環境保全センターでは、施設公開と合わせて120mに及ぶ藤棚の回廊が4月20日(日)まで公開されます。タイミングが合うようでしたらぜひお出かけください。地下鉄烏丸線・近鉄京都線「竹田」駅西口から市バスの直行臨時便も運行されますよ。
最後に、残念なお知らせを。牡丹の名所である乙訓寺(おとくにでら/長岡京市)は、昨今の極度の天候不順により牡丹の生育状況が思わしくないということで、「令和7年ぼたん祭りは中止」とつい先日発表されました。根を休ませるため、今年は花を咲かせずつぼみを落としたそうです。じっくり根を休めて、来年の復活を願っています。
