「路頭の儀」を最大に楽しめる3つのスポット

15日(木)に行われる葵祭のハイライト「路頭の儀」の見学スポットをご案内しましょう。天皇の使者である勅使の一行が先頭となり、京都御所南側の建礼門前を午前10時半に出発する平安装束の総勢500人の行列は、総延長1kmほどにも達します。丸太通を進み、左折して河原町通に。出町橋を渡り下鴨神社でしばらく歩みを止めます。そして、加茂街道を延々と進み、御薗橋を渡ってゴールとなる上賀茂神社に到着するのは午後3時半ごろになります。
行列は、警護役の検非違使(けびいし)など武官や、勅使を中心とした文官からなる「本列」と、斎王代が中心の「斎王代列」で構成されます。位によって衣装の色が違うなど平安時代の身分の違いが衣装を通して表現されているのも見どころです。
ヒロインの斎王代のほか、葵の葉と藤の花で飾られた牛車(御所車)も人気。ギシギシときしみながら牛車を引いていく牛さん。何カ月も前から練習を積んで迎えるハレの日でも、お付きの人の焦りはどこ吹く風。ゆったりとマイペースに歩く姿を眺めていると愛おしくなります。
おすすめの見学場所をずばり3カ所ご紹介します。時間と場所を確認しながら、こちらのルートマップをご覧ください。まずはスタート地点である京都御所の建礼門から南側の京都御苑内。出発時間である午前10時半よりも1時間ほど前に行くと、列を整えてスタンバイする前の様子が見られます。緑豊かな木々の下、平安装束をまとった人たちが行き交う様子は絵になります。その先には有料観覧席があるので、チケットを購入された方は解説を聞きながら、まずはこちらからご覧ください。
丸太町通や河原町通では4車線ある通りの片側2車線はバスや一般車両が走っており、沿道も混雑しているので、あまりおすすめできません。午前11時40分ごろ、下鴨神社に到着する直前の出町橋付近、賀茂川と高野川が交わる三角州辺りからは、賀茂川の風景と共に橋を渡る一行を遠望できます。ここから境内に入ると大混雑していますが、運が良ければ祭りのシンボルでもあるフタバアオイの苗を手に入れることができるかもしれません。
行列は、午後2時20分ごろに下鴨神社を出発、加茂街道を北上して上賀茂神社へと向かいます。この加茂街道がらくたび一押しのベストスポット! 一般車両は通行禁止となるため、音がするものといえば牛車くらい。大樹が連なり、木漏れ日が降り注ぐ街道の風景は平安時代と変わらないと思わせる風情に満ちています。
通りの両側で間近に見ることができますが、カメラを構えたとき逆光にならない西側に立つのがおすすめ。また、行列が来るまでの間、賀茂川べりでリバービューを眺めながらのんびりできますので、テイクアウトしたお弁当やパンでランチタイムもいいですよ。途中、対岸にある京都府立植物園の観覧温室や樹林地、花壇で、普段目にしない植物を見てくつろぐのも一興です。
御薗橋を渡り、上賀茂神社の境内へ。二の鳥居から先は見物客が入ることはできませんが、車や馬を下りた一行と腰輿(およよ)から降りた斎王代、その後ろに女人が整列して社殿に向かっていく姿を鳥居の手前から眺められます。祭りのフィナーレを飾るこの風景も、ぜひ一度目に焼き付けてください。
