2位:「あ?なめてんのか?」
配達遅延に怒り狂うお客様の暴言

 2025年の年明けごろ、各メディアで「ウーバーの配達遅延」が話題になったことを覚えているだろうか。需要と供給のミスマッチによる配達遅延の傾向は、実は、前年の夏頃からその兆候があった。

 昨年8月の20時過ぎ、本業であるライターの仕事を終えた僕は、「ちょっと運動がてらウーバーでもするか」と思い立ち、配達用アプリを起動させた。すぐに注文オーダーを知らせるアラームが鳴る。報酬は約400円。配達に要する距離は約2キロ。所要時間は配達完了まで20分ほどなので、決して割のいい仕事ではない。しかし、ウーバーではよくある「普通の仕事条件」だったこともあり、僕はこのオーダーを快諾した。

 お弁当屋さんに到着後、店員さんからハンバーグ弁当を預かり、お客様の自宅を目指していく。その途中、配達用アプリを通じて、お客様からメッセージが届いた。

「2時間待ってる。遅すぎ。来なくていい。帰れ」

 その後、お客様から電話があった。男性客が、開口一番に放った言葉も「帰れ!!」だった。なんでもドライバーが見つからず、見つかったと思っても途中でキャンセルされるなど、商品を頼んでから2時間近くの時間が経過していたらしい。

男性「お前らはどんだけ人を待たせるつもりだよ」
著者「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
男性「もう弁当いらねーから。そっちでキャンセルの処理しとけ」
著者「すみません。配達員が勝手にキャンセルすることはできないんです」
男性「あ?」
著者「お客様のほうでキャンセルいただくか、サポートセンターに連絡を…」
男性「こっちでキャンセルできんなら最初からしてんだよ! なめてんのか? いいからそっちで全部処理しとけ!」

 電話をガチャ切りされた僕は、サポートセンターに連絡。担当者にチャットで事情を説明したところ、担当者からお客様に電話を入れるので、5分ほど待ってほしいと伝えられた。

 結局、報酬は発生したうえ、配達はキャンセル扱いとなった。なんだか嫌な気分に包まれながら、僕は持ち帰ったお弁当を、自宅で美味しく頂戴した。当のハンバーグ弁当は、まだ熱々だった。おそらくでき立てを提供するため、店側が作り直していたのだろう。