ブランディングとは、あるモノの価値について、消費者にブランドイメージを認識させ、競合との差別化を図るための戦略のこと。「これじゃないとだめだ」という状態を作るための方法だといえる。「ニセコ化」における重要な状態だ。
この定義からもわかるように、本来、マーケティングとブランディングはまったく異なる概念を表している。しかし、「マーケティング4.0」の時代においては、両者は近づいているのだ。
マーケティングでニーズをつかみ
それに合わせてブランディングを行う
2010年代、さまざまなモノが社会にあふれていることはいうまでもなく、それに加えて、スマートフォンの爆発的な普及によってインターネット社会が本格的に誕生した。その結果、消費者は莫大な量の情報を見て、それらの中から自分の好みのモノを選ぶことができるようになる。
そんな時代において、消費者にそのサービスなりモノなりが深く刺さるためには何が必要か。それは、そのモノのブランド価値と、消費者のニーズをすり合わせ、消費者がそのブランドのファンになることが必要だというわけだ。
大量にあふれる情報から、自分に最もマッチするものを選ばせ、深くハマらせる。そのために消費者のニーズをマーケティングによってつかみ、それに合わせてブランディングを行う。
その点において、ブランディングとマーケティングは一致するのだ(ちなみにコトラーは、マーケティング4.0の時代においては、SNSでの個人の発信も重要になると書いている。あるモノのファンになり、その魅力を個人が発信することも重要だというのだ。裏返していえば、個人がわざわざ発信しようと思うぐらい、モノには個人を魅了するだけのブランド価値がなければならない)。
これは、「選択と集中」に非常に似ている。顧客ニーズが生まれるような強みを見つけ、そのニーズを満たすような戦略を集中的に行う。それによって、その地域なり場所にリピーターが生まれてくる。まさに、「選択と集中」において、マーケティングとブランディングは重なっている。