なぜそこを逆走する……?
信じられないドライバーの正体
では、我々が今認識すべきこと、できることは何か。まずはそこから考えてみましょう。
第一に、道路逆走の問題です。高速道路の逆走は、24年に224件発生しました。逆走による事故は39件、死亡事故は2件です。逆走運転者の約70%が65歳以上で、特に75歳以上が46%を占めています。
しかし、高齢者以外の残り30%には、警察が明確に説明しない原因があると推定できます。
ひとつは外国人観光客による運転です。あまり知られていませんが、日本では外国からの旅行客に対して、運転免許が実に簡単に交付されています。
外国で免許証を取得し3カ月以上たっていれば、日本を訪れたときに(1)書類審査、(2)適性検査(視力検査など)、(3)学科試験(標識や交通ルールについての基礎知識を確認。全10問で○×形式の出題)、(4)技能試験(一時停止や安全確認の方法の確認)といった手続きだけで、免許が取得できます。これだけ見てもかなり簡単な試験ですが、実は欧米中心に、29カ国と地域(米国の7州を含む)が学科試験を免除されています。
体験者によると、免許や運転についての翻訳書を渡されるだけという感覚だったそうです。さらに台湾人の場合は、台湾の免許証があれば、日本の交通法規の翻訳書を入手するだけで、訪日後一定期間、全国での運転が可能です。
これらはインパウンドを促進させるための施策のようですが、日本語がきちんと読めない外国人が、日本人でも理解が困難な高速道路の標識を見ながら運転していると聞くと、ちょっと怖い気がします。多くの外国人が、右車線、左ハンドルに慣れているだけに、逆走の可能性はかなりあります。逆走まではなくとも、トラブルは頻発するでしょう。