一見安易な発想にも見えなくはないですが、これは結果的に成功でした。

 このロゴマークは社会での成功や富を表す、ある種のシンボルとなったのです。

「ブランド料」という言葉があるように、世の中にはブランドの名前にお金を支払う、という事を揶揄するような向きもあります。それも一つの価値観であり、否定することはしませんが、少なくともラルフ・ローレンは「高級で良いブランドだ」というブランドイメージで大きくのし上がったブランドでした。

世界的人気を誇るパンクの女王
ヴィヴィアン・ウエストウッド

 70年代のファッションを語る上で、ヴィヴィアン・ウエストウッドの存在も無視することはできません。土星の環と十字架を合わせたブランドのロゴは、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

 ヴィヴィアンはパンクの女王と言われ、イギリスのパンクファッションの火付け役となった人物です。パンクの誕生は諸説ありますが、大体1970年代中頃のアメリカだと言われています。

 その後、文化が輸入される形でイギリスへと広がっていきました。

 このパンクの仕掛け人となったのが、マルコム・マクラーレンという人物。のちにヴィヴィアンの夫となる人です。

イヴ・サンローランが悔しがったカルバン・クラインの「大ヒット商品」と「衝撃CM」イラスト:吉川尚哉

 1971年、ヴィヴィアンとマルコムはブティック「レット・イット・ロック」を設立します。ここではヴィヴィアン自作の服を販売していました。最初に作ったのはテディ・ボーイズのスーツだったそうです。

 ブティックはその後1974年に「SEX」、1976年には「セディショナリーズ」、1979年には「ワールズ・エンド」へと改名します。

 パンクを一躍有名にしたのは、1975年にマルコムがプロデュースした「セックス・ピストルズ」というロックバンドでした。シンプルな音楽性に、反体制的な歌詞、そしてアバンギャルドな服。