答えを教えるのではなく
「考えさせる」

上司と部下写真はイメージです Photo:PIXTA

 では、どうすればよいのでしょうか。マネジャーに求められるのは、「教えること」ではなく、「考えさせること」です。

 例えば、部下が壁にぶつかっているとします。そんなとき、「それならこうすれば?」とアドバイスするのではなく、まずはこう聞いてみてください。

「今、どうしたらいいと思う?」
「どこでつまずいてると思う?」

 そう、問いかけるのです。問いかけることで「考えさせる」ことができるからです。

 部下が自分の頭で状況を整理し、答えを出そうとするプロセスを尊重する、これができる管理職が押さえておくべき鉄則です。

 それでも答えが出ない場合もあるでしょう。でも、まだ答えを言いません。ヒントを与える形でこう伝えます。

「例えば、●●の観点で考えるとどうなるだろう?」

 これで視点をずらすことができます。どうしても自力で答えを出せないときだけ、最後の手段として「●●をしてみるのはどうかな?」と提案する。あくまで最後の手段。こうした順序を守ることで、部下は「考える力」と「自分で決める感覚」の両方を養うことができます。

チームの強さは“相乗効果”
「週1回の5分」で変わる

 プレーヤーとして優秀だった人ほど、「個人の能力さえ高めれば、チーム全体の成果も上がる」と信じがちです。しかし、これは大きな誤解です。なぜなら、チームの強さとは“個の和”ではなく、“相乗効果”によって生まれるものだからです。

 個々がいくら優秀でも、情報共有がなされていなければ、同じ失敗が繰り返されたり、非効率な手法が続いたりします。結果として、チーム全体の成果が頭打ちになるのです。