日本のインバウンド需要に
海外投資家も注目している?
中国・上海の株式市場でも、異例の事態が起こりました。
2024年1月17日午前、中国・上海市にある上海証券取引所は、上場する日経平均株価に連動する上場投資信託(華夏野村日経225ETF)の売買を一時停止しました。同取引所によると、投資家の売買が過熱し、ETFの基準価額(1口当たりの価格)が急上昇し、「投資家が不利益を被る可能性があった」ことを考慮しての措置だそうです。この後も、複数回にわたって同様の措置が講じられました。
最初にこの「売買停止」の一報が届いた際には、東京市場の日経平均株価はネガティブな反応を示しました。その理由は、中国のローカル投資家がこれほどまでに日本株に高い関心を持っている認識がなかったため、この売買停止の措置が「政治的な対立」から生じたとの懸念が広がったからです。
詳細がわからない情報について、株式市場は「ひとまずネガティブに反応する」ことがあります。

中国の日本株ETFの純資産残高は、まだ数百億円規模。規模は小さいものの、このニュースは中国マネーが日本株への影響力を高める可能性を感じさせるものです。
当然、いまは株式市場にとって好材料と認識されるようになっています。
国内の消費や観光市場の拡大要因としての「インバウンド消費」に加え、日本の株式市場において、海外の投資家が日本株を買う「インバウンド需要」も、株価を押し上げる要因として注目されるようになっているのです。