一方、日本人が海外旅行をする場合、円安は不利に働きます。これまでより明らかに割高になるからです。ニューヨークでは、有名ラーメンチェーン「一蘭」のとんこつラーメンが3000円くらいすると話題になりました。
それならば、「海外旅行はやめて国内旅行に切り替えよう」と考える日本人が増えるのは当然です。つまり、観光地には訪日外国人客と日本人客がダブルで押し寄せることになるわけです。
すでに、有名な観光地では「オーバーツーリズム(観光地への訪問客の著しい増加により、地域住民の生活や自然環境、景観などに対して負の影響が生じたり、観光客の満足度を著しく低下させたりするような状況)」が懸念されています。
こうして、観光関連の需要は訪日外国人客の増加を引き金に、私たちが経験したことがないレベルにまで膨れ上がる公算が大です。今後、新たなホテルが建設されたり、これまであまり外国人が訪れなかった観光地がPRされたりして、外国人客の地方への誘致が進むでしょう。観光客の分散によって、特定の観光地などの混雑は解消される見通しですが、観光市場の規模は今後も膨らみ続けるでしょう。
観光・レジャーだけじゃない
「インバウンド関連株」
株式投資の視点からも、インバウンド関連は大いに注目されています。以下は、訪日外国人客の増加で恩恵を受ける代表的な銘柄です。
◆オリエンタルランド(4661・東証プライム)
入園者数で世界有数の多さを誇る東京ディズニーリゾートを運営。ホテルや商業施設などを含めた「都市型リゾート」を展開しています。テーマパークの入園料を値上げしたものの、客足は衰えず、2024年3月期は2019年に記録した利益を超え、過去最高の売上、利益となる見通しです。
入園者数で世界有数の多さを誇る東京ディズニーリゾートを運営。ホテルや商業施設などを含めた「都市型リゾート」を展開しています。テーマパークの入園料を値上げしたものの、客足は衰えず、2024年3月期は2019年に記録した利益を超え、過去最高の売上、利益となる見通しです。
◆藤田観光(9722・東証プライム)
「ワシントンホテル」「ホテルグレイスリー」などのホテルチェーンが主力で、高級宴会場・ホテルの「ホテル椿山荘東京」も経営しています。箱根で展開する旅館「箱根小涌園 天悠」、温泉テーマパーク「箱根小涌園ユネッサン」といった箱根リゾートでも知られています。
「ワシントンホテル」「ホテルグレイスリー」などのホテルチェーンが主力で、高級宴会場・ホテルの「ホテル椿山荘東京」も経営しています。箱根で展開する旅館「箱根小涌園 天悠」、温泉テーマパーク「箱根小涌園ユネッサン」といった箱根リゾートでも知られています。