展示されていたのは、ギターとともに暮らすための家具です。読者の方々の中にも、自宅にアコギやエレキを何本か持っているという人がいらっしゃるかもしれません。ほとんどの方はギタースタンドにギターを置いていたり、壁にギターを吊るすことができるギターハンガーを使ったり、あるいは普段はケースにしまっていて、弾くときだけケースから出してチューニングしたり、という形ではないかと思います。
フライングVやエクスプローラーといった変形ギターを除くと、ギターは独特の丸みを帯びたシェイプをしていて(バイオリンなども含め、ボディラインの美しさを女性に例えることもありますね)、弾くのはもちろん、眺めているだけでも楽しいものです。
一方、ギタースタンドやギターハンガーはあくまでギターを保管したりディスプレイするための道具であり、脇役です。ヤマハのロビーに展示されていたのは、ギターなどを暮らしの中に取り入れ、ゆとりある時間を楽しむための「家具」です。

こちらは「solo」と名付けられたミニマルデザインのスツール。ギターを手に取るとそのままスツールに座って演奏することができます。スツールには演奏する際の姿勢が安定する高さに足置きが設置されているのは、さすが世界一の楽器メーカーであるヤマハの製品。持ち運ぶ際は座面の裏に手を添えますが、ここの手当たりの良さにこだわっているのも、木工製品へのこだわりを感じます。

一見するとギターを収納するためのケースのようですが、こちらは「classic」と名付けられたベンチになります。ギターを取り出したら、ちょうどボディの凹みのあたりに座れるようになっていて、座ったまま演奏できます。「リビングの中にあるペットの寝床」をコンセプトにデザインしたというclassicは、内側に柔らかいレザークッションを施してボディを保護。可愛いペットが心地よさそうに寝ている。そんな安らぎの時間を演出してくれます。
部屋になじむサックススタンドも
ギターだけでなく、サックス(サクソフォン)を置ける家具もありました。

こちらは「Wake me up」と名付けられたサックススタンド。普段はサックスを吊りながら支えていますが、サックスを手にとった後はWake me upを横にすると、そのまま座って演奏できます。

座るとこんな感じになります(笑)。
暮らしの中に楽器があり、好きな時に音楽を奏でられるのは気持ちが豊かになるもの。そんな楽器たちを演奏の道具としてだけでなく、ともに暮らす家族のような存在にできる。多くの楽器を世に送り出してきたヤマハらしい、とても素敵な家具だと感じました。
(AD高橋)