ディズニーランドはなにがすごいのか?
わたしが学生たちに優れたコンセプトの例として紹介し、積極的に遊びに行くのを奨励しているのが、ディズニーランドになります。
ディズニーランドのベースにあるのは、昔ながらの遊園地であったり、アメリカによく見られる移動式サーカスなのでしょう。また、アトラクション単体で見ていけば、ディズニーランドのものより巨大で高速なジェットコースターを持った遊園地はたくさんあります。決してディズニーランドが技術的に突出しているというわけではありません。しかし、ディズニーランドとその他の遊園地とでは明らかな違いがあります。
ディズニーのキャラクターがいること?
たくさんの予算を注ぎ込んでいること?
そうではありません。遊園地とディズニーランドの圧倒的な違い、それこそが「コンセプト」なのです。
よく知られているように、東京ディズニーランドでは「ようこそ夢と魔法の王国へ」というキャッチコピーが掲げられています。このコンセプトを徹底するために、ゴミ箱をたくさん設置してゴミが落ちないようにしたり、従業員を「キャスト」と呼んで来場者を「ゲスト」と呼んだり、そこが日常とは切り離された「夢と魔法の王国」であることを実感するための工夫が随所に施されています。おそらく、ここまでコンセプトの実現を徹底した遊園地は他にないはずです。
(1)コンセプト……大人も楽しめる夢と魔法の王国
(2)アイデア………キャラクターを使い、日常から切り離された空間を演出する
(3)開発……………アトラクションは?従業員は?キャラクターは?
と、大体これくらいまでの話をすると、多くの学生は次のような質問をしてきます。
「コンセプトが大切なのはわかりました。でも先生、問題なのはどうすればディズニーランドのようなコンセプトが生まれるのか、でしょう?新しいジャンルをつくるようなコンセプトって、どこから生まれるんですか?」