シチュエーションで読み返す
さて、咀嚼を進めるためには、ノートを読み返さなければなりません。読書ノートを読み返したり、コメントに加筆したりしているうちに、理解が深まり、新たな視点や発想というものがだんだんと出てきます。
とはいうものの、漠然と「ノートを読み返そう」と開いてみたところで、なかなか集中できるものではありません。では、どんなふうにノートを読み返し、それを継続することができるのでしょうか。
一つは、読み返すシチュエーションを決めておくことです。寝る前や風呂から出たあとなど、生活サイクルの中で「ノートを読み返す時間」を、はじめから決めておきます。
僕は、夕食が終わって寝るまでの間(だいたい19時半から21時)にできるスキマの時間に、読み返すことにしています。この時間帯は、洗い物をしたり、布団を敷いたり、子どもを風呂に入れたり、と雑用で忙しく、子どもも走り回っているので、落ち着いて本や新聞を読むことはできません。
しかし、ノートなら、一つひとつの書き込みの量が少ないので、数十秒くらいでも十分目を通すことができます。読み返しといっても本の再読よりはるかに簡単です。
さらに、出張で飛行機や新幹線に乗っているときも、本や新聞を読むのに飽きてきたり、手持ちぶさたになったタイミングで読み返すことにしています。つまり、「何かおもしろいものはないかな?」と古い新聞を見たり、暇つぶしに辞書や図鑑をめくってみるような感覚で、ノートを開いてみるわけです。
数週間前の読書ノートでも、「ああ、自分はこんな変なことを考えていたのか」と感心することもあるし、2、3ヵ月以上前になると、「そういえば、こんな本も読んだんだな」と驚くこともあります。大掃除のときに、古いアルバムをめくってみたりする感覚に近いかもしれません。