人を育てるには「ほめることが大事」とよく言われます。問題は「どこを、どうほめるのか」。ここで多くのリーダーは悩んでいるわけです。なぜ、そんな悩みが生じるのか。それは、「結果」をほめようとしているからです。しかし、これだけでは不十分です。部下のほめ方を詳しく見ていきましょう。

「がんばっても成果が出ない」。
こんなときこそ、リーダーのフォローが必要

 今日のテーマは、「部下のほめ方」です。あなたはどのように部下をほめていますか?

 業績の一覧表があって、トップの成績を収めた人をほめる。じつにシンプルで、わかりやすい構図です。あるいは、先月は目標達成度が50%だったのに、今月は70%になった人をほめる。これもよくあるケースでしょう。

 しかし、それだけに囚われてしまってはいけません。なぜ結果だけに終始してはいけないかというと、「人は常に成長し、わかりやすい変化を示すわけではない」からです。

 例えば、あなたが受験勉強をしていたときのことを思い出して下さい。日々勉強し、相応の知識を蓄えれば、それだけ試験でいい点がとれたでしょう。しかし、受験勉強を続ける過程には「いくらがんばっても、なかなか成績が上がらない」という時期があったはずです。以前と変わらず努力しているのに結果が出ない。言うなれば、成長の「踊り場状態」です。

 厳密に言えば、この苦しい時期にも人は成長しているのですが、目に見える形では出てきません。他人にも、自分にも、その成長を実感することができないのです。この一番つらい状況のときこそ、上司やリーダーのフォローが必要です。