「こんなにアツく語っているのに、響かないなんて!」
「どんな伝え方なら、自分の指示は伝わるのか……」
チームで成果をあげるには、メンバーを巻き込まなければなりませんが、そのためにどんなコミュニケーションをすればいいか、悩んでいませんか? ミーティングで言葉が空回りしはじめたのなら、それは「つまずき」のサイン。チームは空中分解寸前かもしれません。
「悩めるチームリーダーにこそ、『技術』が必要だ」との思いで『ぼくは「技術」で人を動かす』を執筆したオイシックス社長高島宏平氏が、とっておきの「レシピ」を紹介! 今回のテーマは、リーダーにとっての必須のスキル、「コミュニケーション」です。
【リーダーのつまずき】
どんなにアツく語っても、
メンバーが白けてしまって動いてくれない
リーダーにとって、「観察」がいかに大切なのか、ということは、何度強調してもしすぎということはありません。
チームリーダーがメンバーとコミュニケーションを取る際も例外ではなく、非常に大切なのは観察です。チームができたばかりのときは、特に重要なリーダーのアクションとなります。
観察とは、言葉を変えると「積極的受信」といえます。
リーダーのコミュニケーションというと、いかに語り、いかに伝え、いかに導くかといった、“発信型のコミュニケーション”ばかり意識されます。人を巻き込もうと思うと、一生懸命に発信したくなるのはあたりまえです。
しかし、リーダーにとっては、発信だけではなく受信も等しく重要です。メンバーの言葉を、逃さず受信しなければなりません。言葉にならないメッセージも、観察によって積極的に受信するのです。
・指示をしたとき、うなずき方が普段と違っていないか?
・「大丈夫です」と答えながら、不安な表情をしていないか?
私は、自分が何か話している間のメンバーのリアクションを、念入りに観察しています。違和感があれば、そこに注目します。
人は想像以上に思っていることを顔に出します。自分が話しているときは「見られている」という意識が働くのでつくられた表情ということもありますが、人の話を聞いているときは、「自分は発信側ではないから見られない」と思っているためか、油断して素の表情を浮かべます。これは、絶好の受信チャンスです。